住宅ローンは、家族構成や妻の働き方などを勘案し、「自分に合ったローン」にすることが将来の安心を得るポイントです。属性別のローンの組み方についてポイントをチェックしておきましょう。
最初に、妻が専業主婦で今後も働くつもりがなく、小さい子どもがいる場合は、住宅ローンはできる限りリスクを抑えて組むことを意識すべきです。返済額の安定を図るためには、全期間固定金利型を選ぶといいでしょう。当初の金利は少々高めになりますが、将来にわたって金利が確定するため、家計の計画が立てやすくなります。選択肢となるのは、銀行ローンとフラット35です。金利が低いところを探す手間は惜しまないようにしてください。ネット銀行のソニー銀行の「20年超固定金利」は、団体信用生命保険料が金利込みで、ほかよりも金利水準が低めですから一度チェックしてみるとよいでしょう。
返済期間は、できるだけ短くしたいところです。まずは30年返済で試算してみましょう。毎月の返済負担が重い場合は、そこから1年ずつ返済期問を延ばし、60歳時の残高をみながら決めていきます。子どもの学費や老後の生活資金も貯めていけるよう、貯蓄できる余力を残すことも忘れないようにしてください。「現在は妻が専業主婦で、下の子どもが小学校に入学したら妻が働く予定」という場合は、妻が仕事を始めるまではローンのリスク度の高い状態が続きます。リスクが高い間は金利を確定させられる、10年固定を利用するとよいでしょう。先にご説明したように、10年固定は銀行間の競争が激しいため、金利も割安です。
返済期間全体のうち、当初10年間が占める割合を増やせると、H年目以降の金利上昇リスクを抑えることにもつながります。11年目以降の返済額は、基準金利を過去の住宅ローンの平均である4%と仮定し、そこから11年目以降の金利の割引幅」を引いて試算しておくといいでしょう。ローン選びの際は、目先の当初金利だけでなく、11年目以降の割引幅もチェックすることを忘れずに。
共働きの正社員夫婦の場合は、ローンのリスク度は低めといえます。夫婦それぞれが、収入に応じた借入額で、2が激しいため、金利も割安で本のローンを組むのがおすすめです。妻は産休や育休、時短勤務などの間は給料がダウンするのが一般的ですから、借入額は少なめにしておくといいでしょう。その分、返済期間を短くすると、利息軽減効果が高まります。夫と妻がそれぞれローンを組めば、夫のローンと妻の住宅ローンとで返済期間を別々にすることが可能です。
繰上げ返済をする余裕があれば、借入額の少ない妻のローンのはラを「期間短縮型」で集中して返済していきましょう。妻の分を早期に完済できると、あとは夫の分のローンー本だけになり、家計の毎月のローン返済負担がぐっと軽くなります。子どもの教育費が重くなる前に妻のローンを返し終えられると、家計をスムーズに運営していけますから、少なめに借りるのがコツです。
妻が頭金を入れたり、住宅ローンを組むと、家は共有名義になります。夫婦それぞれの名義で借り入れる「ペアローン」のメリットは、単独や収入合算よりも借入金額が大きくなることと、夫と妻の両方で住宅ローン控除を受けることができることです。
しかし、ローンを2契約にすることのデメリットもあります。1世帯あたりでの返済額が増えることで、返済リスクが大きくなり、どちらか一方が会社を辞めて収入がなくなったら大変です。また、夫婦それぞれの借入比率も、十分な話し合いが必要です。夫婦二人が協力をし、完済まで共働きで、離婚することなく仲良しであれば、前向きに活用することで返済期間が短く、安定したプランができます。
共働き夫婦がそれぞれローンを借りるペアローン。共働きのうちにローンをガンガン返すべく当初返済額をキツめに設定すると、ローンの後半になって返済がラクになる。この場合、家は夫婦の「共有名義」となり、住宅ローン控除も二人とも受けられるのも大きなメリットです。
購入する物件別にもローンの組み方のポイントをみていきましょう。新築の建売住宅や中古住宅を「購入する」ケースと、注文住宅を「建てる」ケースを比べると、「購入する」ほうが資金面ではかなりラクです。「建てる」 場合は、着手金や中間金など途中で支払いが発生するため、資金繰りが必要になるうえ、作業量が増えます。新築の建売住宅を購入する際は、引渡しまでに半年以上あるなら金利上昇に注意しましょう。引渡し後のローン契約時に金利が上がっていると、返済額をアップするので、当初から少し金利を高めにみておくととても安心です。
中古住宅の購入は、新築建売住宅を購入するケースの期間を短縮した形になり、それほど複雑ではありません。売買契約から引渡しまでの期間が短いため、金利上昇リスクが低いのがメリットです。ただし、売主の都合で引渡しが半年以上先になるなら、少し高めの金利でみておきましょう。また、リフォームやリノベーションをする場合は、リフォーム費用は現金で用意するのがベストです。現金の捻出が難しいなら、金利が高いリフォームローンではなく、住宅ローンと一体型で貸してくれる銀行を選びましょう。すべての銀行が扱っているわけではありませんから、いくつかの銀行で「リフォーム費用を住宅ローンと一体型で貸してくれますか?」と尋ねてみるといいでしょう。
建築家や工務店に施工を依頼して家を建てる場合、資金繰りが大変になります。さらに大変なのは、土地を買って家を建てる場合です。銀行によっても対応が異なるので、まずは全体像を把握し、銀行の支店で相談に乗ってもらうようにしましょう。資金が必要となるタイミングは、おおむね「土地代金の決済≒建築費の着手金」「建築費の中間金」「建物引渡し時の建築費残金」です。土地の購入費もローンを組む場合は、土地と建物とで2本のローンを組むことになります。建物のローンは、土地より遅れて組むことになります。
銀行は、「土地先行取得住宅ローン」の取扱いがあるところを選びましょう。また、建築費の着手金や中間金の支払いについては、ローンで対応可能かどうか銀行に確認しておきます。建築費が予算オーバーしないよケ注意したいところですが、その可能性も考慮し、土地代金はローンを利用し、自己資金は建築費の着手金と中間金の支払いにあてられるよう計画を立てておくといいでしょう。ただし土地代金の借入額が大きいと、家が完成するまでの間、土地のローンと家賃の支払いが重なって家計の負担が重くなりますから、注意が必要です。
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