住宅ローンは、月々の返済とは別に「繰上げ返済」をすることができます。毎月の返済分は利息と元金にあてられるのですが、繰上げ返済をするとそのお金はすべて元金に充当されるしくみ。つまり、繰上げ返済でローン残高が減った分は利息をまるまる払わなくてよくなるのです。うまぐ使いこなせばかなりお得になるので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
繰上げ返済には、「期間短縮型」(繰上げ返済した分だけ返済期間を短くする方法)と「返済額軽減型」(以後の毎月返済額を少なくする方法)があります。目先の負担を軽くしたいと思うと返済額軽減型を選びたくなるかもしれませんが、かなりまとまった額を投入しないと生活がラクになるほどの効果は得られません。
おすすめは期間短縮型です。1年でも早ぐ完済して60歳以降の負担を軽くすることが安心感を高めてくれますし、同じ金額を繰上げ返済した場合、期間短縮型のほうが利息の軽減効果が大きく断然お得です。
繰上げ返済は早い時期にしたほうが利息軽減効果が高くなります。ただし、「できるだけ早く、たくさん繰上げ返済をしたほうがいい」と考えるのは早計です。何かあったときにすぐ使える余裕資金を手元に残しておくことは大切ですし、子どもがいる場合は教育費を貯めていかなくてはなりません。老後資金も時間をかけて準備していく必要があります。
このように考えると、繰上げ返済は「余裕資金を確保し、教育費を積み立て、老後に向けた貯蓄を増やしていく」というハードルをクリアしたうえで初めて実行してよいということになります。繰上げ返済をし過ぎて、いざというときのキャッシュがなかったという事態は避けましょう。また、低金利で借入している方は、再考の余地があるでしょう。
繰上げ返済には、原則として手数料が必要です。ただ、かつては1回当たり2万?3万円程度必要でしたが、近年は金融機関の競争により手数料は引下げ傾向にあります。ネットバンキングで繰上げ返済すれば、手数料が安くなったり無料になったりする銀行も出てきていることを知っておきましょう 繰上げ返済をこまめにしたいという人なら、ローンを借りる時点で、繰上げ返済手数料や利便性を比較して選びたいもの。たとえば、「10万円貯まったから繰上げ返済したい」と思っても、手数料が3万円もかかるとなると「もラ少しまとまった額にならないともったいない」と感じるでしょう。しかし、無料?数千円程度の手数料で済むなら、躊躇なぐどんどん繰上げ返済できます。
ちなみに、フラット35は繰上げ返済手数料は無料ですが、繰上げ返済できるのは100万円から。多くの銀行は、繰上げ返済の最低金額を設定していないか、1万円からとしています。こまめに繰上げ返済をするなら、「手数料が安く、店舗に出向かず不ットで手続きできる銀行」を探すのが正解です。また、金利の優遇は大きいが、繰り上げ返済の手数料が高いという金融機関もあるので、事前に確認が必要です。
借入れ後にかかる手数料もチェックしておきましょう。まず変動型で借りている途中や固定期間選択型の固定期 は間が終了したときに、新たに固定期間を選択した場合にかかるのが固定金利手数料(金利切換手数料と呼ぶケースもある)です。1回につき1?5万円程度かかるケースが一般的ですが、一部には無料の金融機関もあります。また固定期間中は通常は金利を変更できませんが、一部の金融機関では所定の手数料を支払うことで切換えが可能な場合があります。
返済の途中でまとまった金額を返す繰上げ返済をすると、繰上げ返済手数料がかかることがあります。最近では、インターネットで手続きすると手数料が無料になるケースがほとんどです。ただし、繰上げ返済をすると借入れ時に支払った保証料の一部が戻りますが、この返戻金から保証会社の手数料が差し引かれる場合があるので注意が必要です。新たに手数料を支払うわけではありませんが、費用を負担することには変わりありません。金融機関によっては、この保証会社手数料も無料にしているところがあるので、繰上げ返済を考えている人は特にチェックしておきましょう。
「返済期間短縮型」「返済額軽減型」
ローン返済中に元金の一部を前倒しで返済する繰り上げ返済。元金を減らすだけでなく、その元金にかかるはずだった利息もなくなるので、総返済額を減らす効果があります。繰り上げ返済には2種類のパターンがあります。
■返済期間短縮型・・・毎月の返済額は変えずに、当初の予定よりも早く完済してしまう方法。
■返済額軽減型・・・返済期問はそのままで毎月の返済額を減らす方法。
繰り上げ返済は早い時期に実行すればするほど減らせる利息の金額が多めでお得です。
繰り上げ返済はたしかにお得です。だからといって、貯蓄をすべて繰り上げ返済に使ってしまうと、リフォームや子供の入学、車の買い替えなど、まとまった出費があるときに資 金に困ってしまいます。どのタイミングでいくらを返済するか、返済期間を短くするのか、毎月返済額を減らしたほうがいいのか。繰り上げ返済は計画的に、今後の家計の状況を考えて決めましょう。
繰り上げ返済の条件は金融機関やローン商品によって違います。「フラット35」は1回につき100万円以上の元金返済が条件です(銀行の住宅ローンなどでは、1万円以上から受け付けるところもある)。手数料も無料のところもあれば、数 万円~十数万円かかるところもあります。返済期間短縮型か返済額軽減型かによっても違ってきます。繰り上げ返済をするつもりなら、これらの点について確認しておくことが重要です。
昨今、住宅ローン金利が以上に低くなっており、変動金利は1%以下、全期間固定金利でも1%台となっています。このようなときは、繰り上げ返済の金利よりも資産運用したほうがキャッシュフローがよくなる効果があるといえるでしょう。
住宅ローンを利用して家を購入したときに、住宅ローン控除を利用するでしょうが、その住宅ローン控除が終了する11年後に繰り上げ返済をするか資産運用したほうが良いでしょう。
資産運用をするときの注意点として、資産運用の利回りは変動することを考えおきましょう。そして、金融商品を選ぶ知識をつける必要があります。資産運用の大きなメリットとしては、借金返済は、手元にお金は残らないが、資産運用は教育費や老後資金など必要になった時に使うことができるのです。
また、現金の価値が下がったインフレ時には、現金を目減りさせないように株式や外貨などに資産運用していると、リスクを回避が可能です。そのほか、複利の効果を活かすこともできます。
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