家を建てるために必要な図面は?

家の図面を理解しよう!!

図面の実態

 

「こんな家を建てたい」という希望が、最初に形になるのが設計図書です。それぞれの図面の意味をしっかりと理解し、まずは必要な図面がそろっているかをチェックしましよう。

 

 

 

 

必要な図面の枚数とは?

まずは図面の枚数ですが、個々の建物・住宅によってかなり違いますが、おおまかにいって、実施図=30~50枚。施工図=10~15枚、といったところでしょう。基本設計図は目的がかなうまでの枚数が必要で、竣工図はすべての図面に変更などを付け加えたものですから、枚数=全部の合計になります。ただし、建築的な知識のない一般ユーザーの方が、すべての図面を見て理解することは非常に難しいでしょう。一般図と実施図を確認して、不明な点、疑問に思った箇所などについて、担当者に説明を求めて下さい。図面の枚数が充分かどうかという問題については、少々乱暴な表現をすれば「坪数=枚数」が基準といえるでしょう。つまり30坪の家なら30枚(A~A2)の図面があれば、充分な考慮、検討がなされたうえで設計が進められていると考えてよいと思いでしょう。

 

ここまで、一般図→実施図→施工図→竣工図、というおおまかな流れを説明してきましたが、実は最初の「一般図」があれば、家一軒、建てることは可能なのです。これを聞いて「じゃ、あとの図面は必要ない。設計料がもったいない」と思った方は、ご自分の責任のもとで家を建てて下さい。実際にそのような方針の施工者は数多くあります。ただし、このことがのちのちトラブルにつながったり、トラブルの責任の所在を明らかにできない要因になったりすることが考えられます。つまり、手抜き工事や欠陥住宅につながっていくのです。逆に「一般図だけでは、チョット不安・・・高い買い物だし」と思った方は、施工者の前に、心ある設計者を探して下さい。

 

 

 

設計図書はこれだけ揃わなければ不十分

設計図と聞いても普通は、間取り図ぐらいしか頭に浮かばないかもしれません。しかし、まさかチラシ・広告や住宅雑誌に載っている簡単な間取り図だけで、家が建つなんて思ってはいないでしょう。だから契約するときに、あの程度の間取り図だけを見せられてOKを出したとしたらとても大きな問題です。まるで何にも取決めをしないでお金を払うのも同然ということなのです。普通、ハウスメーカーや工務店との契約は設計契約も兼ねていて、見積りに設計費が含まれていないこともあります。それで何となく、簡単な間取り図程度でも納得してしまうのかもしれません。しかし家を建てるには、何種類もの図面が必要です。

 

間取り図といっているのはこのうちの平面図のことで、しかも企業が最初に出してくるのは、縮尺100分の1の簡易な図面。実際の施工には50分の1の詳細なものが必要です。この両者では盛り込まれる情報量が格段に違います。さらに立面図や断面図、設備図といった各種の図面(実施設計図)を揃えて初めてきちんとした契約が成り立つのです。たとえば「展開図」というのを見ておかないと、完成してから「あの窓が小さすぎる」などと後悔することになりかねません。しかし実際には、配置図、平面図、立面図ぐらいで契約してしまう人が非常に多く見られます。設計はほんの少し変えても工事や費用に影響します。それなのに「設計の詰めは後にしましょう」などという営業トークがまかり通っていて、むざむざそれに乗せられてしまう人が大勢います。こんな契約をするなんてとても無謀だと思いませんか。実施設計はサービスでできるようなものではありません。企業によっては契約以前に実費をとって実施設計をするところもあり、むしろこちらが本来の姿といえるでしょう。

 

もちろんハウスメーカーの注文住宅だけでなく、建売り住宅やマンション購入時にも設計図書に目を通す必要があります。構造や性能については建物をざっと見ただけではわからないからです。自信がないときは専門家に頼んで見てもらいましょう。ただし、莫大な資金を注ぎ込む買い物なのですから、ある程度は自分も判断できる基本的な知識だけは学んでおかなければなりませんが。

 

 

図面が多いことはいいことだ!!

図面は家を建てるための「共通言語」といえるでしょう。役所の担当者が、施工会社が、監督が、職人が、そして施主であるあなた自身が建物の内容を知るための共通言語なのです。見積もりも、図面を見てはじめて作成できるものです。極端に言えば、家の命といっでも過言ではありません。図面の数が多いほど制約も多くなり、監督や職人が神経をつかって仕事をしてくれるものなのです。リフォームや欠陥調査、耐震調査などでも、設計図は絶対に必要なものです。欠陥住宅の調査に訪れると、ほとんどのケースで図面がそろっていないのが現実です。

 

※注文住宅の基礎知識!!

 

 

建築主の知識が問われる設計の打ち合わせ

住宅の設計作業は多くの場合、打ち合わせからはじまります。施主はどのような生活をしてこられたか? 新しい家に住むにあたってライフスタイルを変えるのか継続するのか? 家族の趣味は何か? 家族構成の現在、近未来、将来がどう変化していくのか?などのような諸条件を考慮したうえで工法や構造を考え、使用材料などさまざまな技術的検討を加え、建築主から提示されている予算額に合致するようにプランをまとめていきます。設計の打ち合わせは幾度となく行われ、予算や工法の再検討結果とすり合わせることで、ようやく実施のプランが固まります。実施設計に入ると、設計者との打ち合わせも回数が増加します。具体的な内容に入っていくのですから当然のことなのですが、ここで設計に関する知識の差が現われるのです。

 

たとえば、基礎工法だけをとってみても、設計者が図面で提示する内容を正確に理解する必要が、施主には生じます。布基礎とはどんなものか、べた基礎との違いは、束石の目的は、地盤改良とは・・・このようなことを理解していないと進まないのです。図面を修正するのは、設計期間中であれば基本的には追加費用はかかりませんが、現場で実際に作業が行われたあとでの変更には多大な追加費用が発生します。また、設計を承認したあとでは、この費用は当然ながら施主が負担することになります。そして、もめ事が起こった場合に「私たちは素人だから、図面を見てもわからない」「そのために設計者に依頼している」という言葉が施主から聞かれることが非常に多いのです。この業界では、知識不足、説明不足によるトラブルは尽きません。建築は、数万におよぶ部材を人力で組みヒげることで成り立っているだけに、些細なことで、夢のマイホーム実現が「訴訟介戦」という修羅場へ成り下がってしまう現実もあるのです。

 

施主にとって、設計のことをしっかりと理解することは、言い換えれば「建築を知ること」になりますが、詳細なプロ並の知識は必要ではありません。願わくば、設計者と酒を酌み交わしながら、できあがる建物について議論し、夢が語れる程度の知識をもつべきでしょう。そのことが「家づくり」という一生一度の大イベントに大きな華を添えることは間違いないでしょう。

 

 

人を信頼してまかせるのは大切なことですが、これは本当の意味での信頼関係が成り立っていることが前提となります。委任する前に人間関係の構築、すなわちコミュニケーションをしっかりとることが重要なのです。これには相性という大きな要素も絡んできます。日本的な感覚を批判される方もおりますが、あうんの呼吸、以心伝心は決して否定されるものではありません。信頼関係がまだ築けていないのなら、完全にまかせっきりにしないで、いろいろ聞いて自分で確認すべきです。意志の疎通をはかることで、次第に信頼関係が築けるようになるのですから。家づくりは「人間関係」「信頼関係」が大きなポイントとなります。

 

 

図面のチェックは重要!!

住宅の図面は大きく分けて下の3つに分けることができます。

①間取りや窓の位置、コンセントなどを決めるために施主と打ち合わせをし、あるいは承認をしてもらうための「平面図」や「立面図」といった図面。

 

②建築確認や公庫融資を受けるために法的な要件を書き込んだ図面。

 

③実際に建築するために必要な工事の詳細図面など。

大東建託の「アパート経営」

 

住宅はこれらのいろいろな目的のために作られた図面がなければ建てることが出来ません。しかし、往々にして、建売住宅や建築条件付き宅地販売の場合、買い手は平面図や立面図だけしかもらわない場合が多いようです。特に契約時に簡単な平面図だけを用意され、契約をせかされると、後からでは取り返しがつかない事にもなりかねません。さらに建築確認の申請名義人が売主であった場合、建物の完成引き渡しまで建築確認の図面すら見せることがなく、平面図と立面図だけで引き渡しを受けてしまうケースも見られます。実際にお金を支払うのは自分たちですから、「どのような住宅で、どのような強度や性能を持っているか」を仕様書や図面で確認するのは、最低限必要なことです。建売住宅でも契約時期が早い場合は、工事中の建物をチェックすることが可能ですし、建築条件付きの場合であれば、基礎工事のスタートから工事を確認することが出来ます。すべての図面が契約時に揃うわけではなく、契約後に作成される場合もありますが、本来は契約時にこのような必要図面を受領できるよう契約約款に記しておくことも大切です。そして、これらの図面がしっかりと揃っている会社ほど、信頼性は高いともいえます。


 このエントリーをはてなブックマークに追加 

※記事内には「PR」の宣伝活動および、アフィリエイト広告が含まれております。