大規模地震に強い!! 倒壊しないツーバイフォー

各大規模地震で倒壊ゼロ!!  地震に強いツーバイフォー!!

地震の被害

 

ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法は、とても地震に強い頑丈な工法です。個人的には耐震性とトータルバランスで選ぶならば、鉄骨住宅よりもツーバイフォー(ツーバイシックス)をお勧めしているほどです。しかしながらその優れた耐震性や強靭な構造は、あまり知られていないのが現状です。日本では木造の在来軸組工法が主流で、ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法の認知度は、まだまだ低いものとなっているのが実情です。また、ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法を採用しているハウスメーカーや工務店も少なく、テレビCMなどで見かける機会もあまりありません。特に昨今はローコスト住宅注目を集めていたので、木造としては少々高価となるツーバイフォー工法にとっては、受難の時代だったかもしれません。しかし、度重なる大規模震災で、住宅の耐震性や強度に注目が集まるようになるにつれ、その価値が見直されるようになりました。

 

地震に強いツーバイフォー

地震に強い住宅と言えば、すぐに鉄骨住宅が思い出されるでしょうが、実はツーバイフォー(ツーバイシックス)工法の方が、地震に強いと言っても良いかもしれません。その理由は数々のデーターや数値が物語っています。『日本ツーバイフォー建築協会』という社団法人があり、こちらが多くのデーターを公表しています。残念ながら、鉄骨住宅や在来工法にはこのような団体がなく、検証やデーター報告が行われていないのが非常に残念です。言い換えれば、ツーバイフォー工法はこのような統括機関が存在するので、安心だとも言えるでしょう。

 

ここでは、『日本ツーバイフォー建築協会』が発表しているデーターを元に、ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法は本当に地震に強いのか、考えて見たいと思います。過去に発生した大規模地震で、ツーバイフォーはどうだったのか見ていきます。

 

 

阪神淡路大震災でのツーバイフォーの被害は?

マグニチュード:7.3
震度:7

 

全壊:104,906件
半壊:144,274件

 

阪神淡路大震災は、今回発生した熊本地震と同じ「直下型」の大規模地震です。阪神淡路大震災の特徴は、大都市で発生した大地震ということです。そのため住宅の多くに被害が発生しました。全壊が約10万棟、半壊を含めた一部損壊が約29万棟と、甚大な被害が発生しました。コンクリートできた高速道路の橋脚さえも倒壊したほどです。住宅や建築物にこれだけの被害を発生させた直下型大規模地震の阪神淡路大震災ですが、ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法の住宅への被害はどうだったのでしょうか?

 

1)調査集計総括表

注)半壊の2棟は、いずれも地盤の移動や液状化により、 ある程度建物が傾斜したため「半壊」と判断されたもの。

 

2)住宅の被害程度の区分

(引用:阪神淡路大震災 日本ツーバイフォー建築協会)

 

阪神淡路大震災におけるツーバイフォー(ツーバイシックス)工法の被害は

 

全壊:0件
半壊:2件
 
10万棟が倒壊した大規模地震にもかかわらず、ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法も被害は、なんと「半壊2棟」のみです。しかもその2棟の半壊も、『地盤の移動や液状化により、 ある程度建物が傾斜したため「半壊」と判断されたもの』で、ツーバイフォー工法の構造的、強度的問題で半壊したものではありません。あれだけ大きな被害が発生したにも関わらず、ツーバイフォー工法の住宅には致命的な被害は発生していないということです。

 

 ちなみに、阪神淡路大震災の犠牲者のうち8割以上は建物被害によると言われています。建物の倒壊がなければ、このうちの多くの人命が被害を免れていたでしょう。仮に全ての住宅がツーバイフォーであったならば、6,000人もの人的被害は出なかったでしょう。これを見るに付け、住宅選びは家族の命をも左右するものだと実感します。

 

 

東日本大震災でツーバイフォーはどうだったのか?

震源:仙台市の東方沖70kmの太平洋の海底
マグニチュード:9.0
震度:7

 

全壊:121,805件
半壊:278,521件

 

東日本大震災はまだまだ記憶に新しい大地震だと思います。東日本大震災は地震よりも、津波の方が映像によってライブで流されたために、津波被害のイメージが強い地震かもしれませんが、実は地震の規模を示すマグ二チュードは、阪神淡路大震災の7.2よりも大きい9なのです。その最初の揺れでは、東北から関東まで大きな揺れに見舞われました。その後も震度5程度の余震が続きました。そんな東日本大震災で、ツーバイフォー工法はどうだったのでしょうか?

 

1)調査集計総括表

 

2)住宅の被害程度の区分
 

(引用:東日本大震災 日本ツーバイフォー建築協)

 

東日本大震災でのツーバイフォーの被害は、

 

全壊:7件
半壊:69件

 

東日本大震災では、ツーバイフォー工法は7件が全壊となっています。しかし、この7件のうち6件は地盤崩壊によるもので、地盤自体が崩れたり大きく変形すれば、いくらツーバイフォー工法が頑丈でも、大きな被害は必然でしょう。地盤がなくなるのですから、倒壊や全壊は当たり前です。残りの1件は類焼他(地震による火災)となっています。半壊は69件となっています。そのうち地盤の崩落、液状化の2つの項目は、上記と同じ理由で、地盤が自体が原型を留めていなければ、構造自体の耐震性の判断は難しいので無視します。そして気になるのが強震変形です。この強震変形が2件となっています。強震変形とは地震の強い揺れで家が変形したということです。ですから、東日本大震災の強い揺れで、ツーバイフォー工法は2件が半壊したということです。しかし、あれだけ強い地震で有りながら、まともな地震の揺れによる被害が半壊2件だけですから、阪神淡路大震災に続き、この東日本大震災でもツーバイフォー工法は優れた耐震性を示したと言えるでしょう。

 

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熊本地震によく似た新潟中越地震での、ツーバイフォーの被害は?

震源:新潟県中越地方
マグニチュード:6.8
震度:7

 

全壊:3174件
半壊:13810件

 

新潟県中越地震は、この度発生した熊本地震とよく似た地震なので、個人的にはこちらのデーターの方が非常に気になります。
 この新潟中越地震は震度7の大規模地震です。その後も震度5程度の余震が数日にわたり続きました。そして注目なのは、短期間に強い揺れが何度も襲ってきたという点です。新潟県内では、本震発生後2時間の間に3回の震度6という強い揺れが、立て続けに発生しています。この「短期間に繰り返す強い揺れ」が、住宅に大きな被害をもたらした熊本地震との類似点です。阪神淡路大震災・東日本大震災も、もちろん地震の揺れや力は大きかったのですが、短期間に強い揺れは繰り返しませんでした。一度の揺れには持ちこたえられるが、そのあとに続くと耐えられない!! では、困ります。では、ツーバイフォー工法は新潟中越地震で、どうだったのでしょうか?

 

1)調査集計総括表

*多少補修が必要な4棟、震源に近く、地盤変化や地震のゆれから、せっこうボード(内壁下地材)等の一部が損傷したため、補修が必要となったもの。

 

2)住宅の被害程度の区分

(引用:新潟中越地震 日本ツーバイフォー建築協会)

 

新潟中越地震での、ツーバイフォーの被害は、

 

全壊:0件
半壊:0件

 

熊本地震によく似た「短期間に繰り返す強い揺れ」の新潟中越地震ですが、ツーバイフォー工法の全壊、半壊はともに0件となっています。多少補修が必要な4件も、地盤変化や地震の揺れから、せっこうボード(内壁下地材)等の一部が損傷したため、補修が必要となったもので、非常に軽微なものです。そのまま住み続けることに何の支障もないほど軽い被害です。甚大な被害が発生した熊本地震と同じ、「短期間に繰り返す強い揺れ」の新潟中越地震なので、個人的にはツーバイフォー工法にも大きな被害を想定していましたが、意外にも全壊・半壊0件という結果でした。ここでもツーバイフォーの優れた耐震性が見てとれます。

 

 

 

 

『繰り返しの強い揺れ』の熊本地震味もツーバイフォーは耐えた?

震源:熊本県熊本地方
マグニチュード:6.5
震度:7

 

倒壊:8,336件
半壊:26,333件

 

熊本地震では、想定を越える住宅への大きな被害が発生しました。倒壊・半壊の件数だけを見れば、大都市部で発した阪神淡路大震災よりもかなり小さな数字ですが、問題なのはその倒壊率です。実は熊本地震こそ、住宅の倒壊率が過去最悪なのです。残念ながら、現時点ではまだ『日本ツーバイフォー協会』からの正式な発表がありません。発表が、公表され次第、順次アップしていきたいと考えています。

 

 

まとめ

地震で倒壊しなかったツーバイフォー
一言で簡潔に言えば、「ツーバイフォーは地震に強い、優れた耐震性である」と断言できるでしょう。数々の大規模地震で多くの住宅が倒壊してるなか、ツーバイフォー工法の実質的全壊棟数は、ほんの数棟となっています。熊本地震に関しては、まだ正確なデーターが発表されていませんが、その他の過去の大規模地震において、具体的には倒壊7件、半壊71件と非常に小さな被害となっています。延調査対象が約3万軒ですから、倒壊の確率が0.02%。半壊の確率が0.23%となります。まさしくデーターがツーバイフォーは、地震に強い工法であると示しています。

 

【ツーバイフォー工法の地震倒壊率】

 

半壊率:0.23%

 

全壊率:0.02%

 

 

 

地震に強いと言われる「鉄骨住宅」はどうなのか?

「鉄骨住宅」にはツーバイフォーの『日本ツーバイフォー建築協会』のような統括団体がありません。ですからまとまった信頼性の高いデーターがないのが実情です。国土交通省管轄の建築研究所が、阪神淡路大震災などの調査報告をまとめていますが、鉄骨建築の中に住宅と店舗、工場などが混在していて「鉄骨住宅」の純然たるデーターが出てきません。しかし詳しく見ていくと、多くの被害が店舗、工場、店舗兼住宅に集中していることがわかります。やはり一般的な住宅の被害は少ないようです。

 

木造 在来軸組工法は安全ではないのか?

倒壊した住宅のそのほとんどが、木造の軸組工法の建築物です。木造住宅は地震に対して安全ではないのでしょうか? 今後、大規模地震が想定される我国では、地震による住宅の被害を最小限度に留めるためには、木造住宅を選んではいけないのでしょうか?

 

 築年数が50年も、60年も経っている古い住宅は論外として、築年数が35年以内の住宅で考えて見たいと思います。なぜ築35年以内かというと、ちょう今から35年ほど前に、「新耐震基準」が施行され、これ以降の建物全てはこの「新耐震基準」の規格で造られているからです。今現在、私たちが住宅の耐震性のよりどころとしているのが、この「新耐震基準」です。一般の方は、この基準に沿って建てられた1981年以降の建物は、地震に強いと思っています。間違いではありませんが、熊本地震発生以降、状況は急激に変わりつつあります。

 

「新耐震基準」では

・震度5強程度で、ほとんど損傷しない
・震度6~7程度の地震で、倒壊しない

ように、基準が設けられています。

 

阪神淡路大震災、東日本大震災では、確かに木造の在来軸組工法で、築年数の古い「新耐震基準」以前の住宅の倒壊が、明らかに目立ちました。しかしこの度の熊本地震では、築年数の浅い「新耐震基準」以降の木造住宅の倒壊が、多数確認されています。「新耐震基準」では『震度6~7程度の地震で、倒壊しない』ように基準が設けられているはずです。設計上は倒壊するはずがないのです。しかし現実には多くの木造住宅が倒壊しています。では、なぜそれらは倒壊したのでしょうか?

 

 

「新耐震基準」も、【繰り返す強い揺れ】には耐えきれない!!

熊本地震では本来は倒壊することない「新耐震基準」で建てられた比較的新しい木造住宅が、なぜ簡単に倒壊したのでしょうか? 答えは【繰り返す強い揺れ】です。もう一度おさらいですが、「新耐震基準」は、震度5強程度ではほとんど損傷しない・震度6~7程度の地震で倒壊しないように、基準が設けられています。しかしこれは単発の地震被害の話です。連発、繰り返される、続けて発生する事はまったく想定されていません。ですから「新耐震基準」でも【繰り返す強い揺れ】では倒壊の可能性はあるのです。ニュース番組でも報道されていましたが、初日の震度7では持ちこたえていた住宅が、翌日の震度7が一回、震度6が3回の【繰り返す強い揺れ】で、無残にも倒壊していました。熊本地震では「新耐震基準」以降の木造住宅は倒壊したのです。熊本地震ではっきりしたことは、「新耐震基準」の築浅の住宅でも【繰り返す強い揺れ】には耐えられない可能性があるということです。

 

「新耐震基準」の見直しを、なぜ早急にしないのか?

【繰り返す強い揺れ】には、持ちこたえられない可能性が高い「新耐震基準」では意味がない。みなさんもそう感じるのではないでしょう。我国、日本は今後大きな地震が発生する可能性が高いと言われています。南海トラフ大地震、東南海地震など、様々な大規模地震が想定されています。そういった地震が熊本地震のように【繰り返す強い揺れ】の可能性もあるのです。死者が30万を越える想定もある南海トラフ大地震では、住宅の倒壊による被害を少なくできれば、死者が半減するとまで言われています。現在の【繰り返す強い揺れ】には持ちこたえられない可能性が高い「新耐震基準」では、半減させることは、到底無理な話です。早急に「新耐震基準」の見直しを願います。しかし業界のしがらみもあり、事はそう簡単に運ばないのが実情です。

 

ツーバイフォーも鉄骨住宅も「新耐震基準」ではないの?

もちろんツーバイフォーも鉄骨住宅も「新耐震基準」で建てられたいます。ではなぜ、木造住宅の比べて、極めて倒壊や半壊の被害が少ないのでしょうか? それはツーバイフォー、鉄骨がもともと有する構造上の強度が、木造住宅とは比較にならないくらい強いからです。また、それぞれを扱うハウスメーカーも、その耐震性の高さ・高い強度を中心に営業展開しています。更には、耐震装置や制振装置まで組み込んで、耐震性を高めています。「阪神大震災規模の地震に30回耐えられる!!」などといった、過剰すぎる強度を自負するハウスメーカーもあります。しかしその反面、価格は非常に高額になります。
 一方、木造住宅はどうかというと、最近のローコスト住宅の躍進ぶりを見ればよくわかりますが、安い住宅がよく売れています。安い住宅は木造軸組工法を採用しています。安く提供するためには、「新耐震基準」以上の過剰な耐震措置はとりません。そんなことをすれば、価格にシビアに跳ね返ってきます。少しでも安く作りたいので、「新耐震基準」ギリギリで造らざるを得ません。もちろん住友林業のような本格木造メーカーはその様な事はありませんが、価格を追求しているローコスト系の住宅は軒並み「新耐震基準」ギリギリで作られています。耐震性や強度には関心を持たずに、低価格だけに走るユーザー側にも問題はあると思います。

 

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