和風住宅VS洋風住宅-住んでわかるメリデリランキング

 

「和風住宅」比較「洋風住宅」|住んで分かったメリットとデメリットランキング500人アンケート


住宅の「和」「洋」は単なる見た目の話に留まりません。掃除やメンテナンスのしやすさ、断熱・気密・通風・採光といった性能面、生活動線の合理性、そして香りや触感といった情緒性まで、住み心地を構成する要素は多層的です。本稿では、全国の男女500人(女性355人/男性145人)を対象としたアンケートを素材に、和風住宅と洋風住宅の実住評価を多面的に分析します。洋風住宅が主流化するなかで、和の要素を残す和洋折衷の戦略的価値、そして和が持つ癒しと可変性の強みを、データと居住者の実感を交差させて読み解きます。

 

調査概要: 自社調査/インターネット任意回答/期間 2025年7月26日〜27日/有効回答 500人(女性355・男性145)/年代構成 20代20.4%・30代34.0%・40代25.4%・50代15.2%・60代以上5.0%

 

和と洋の実像を測る:主流と少数派が同居する時代

和と洋で最も違う視点は何ですか?

掃除と動線の効率性を取るか、畳の触感や情緒性を取るかという暮らしの軸の違いです。

アンケート結果から見えてくるのは、洋風住宅の圧倒的な普及と、それでもなお残り続ける和の強靭さです。全体の63.8%が洋風住宅で生活し、23.0%が和洋折衷、13.2%が和風住宅という構成は、日本の住宅市場が機能性とメンテナンス性を軸に標準化へ向かいつつも、文化的・情緒的価値を併存させる余地を残していることを示します。和風住宅の住み心地に関する記述では、「落ち着く」「寝転びやすい」「雰囲気が好き」といった心理・感覚面が高く評価され、空間がもたらす心的効果が生活満足に直結する事例が多数寄せられました。一方、和風のデメリットには断熱・気密・虫・メンテナンス・間取りの現代適合性といった技術的な課題が並びます。洋風住宅は掃除・動線・バリアフリー等の機能面に分がある半面、冬の床冷えや夏の蓄熱、湿気滞留、和室不在といった生活感覚の不満が顕在化しています。重要なのは、どちらが絶対的に優れているかではなく、自分の暮らしにとって何を重視するかの重み付けです。好みと合理を両立させる最適点は人と家族のフェーズごとに異なり、和洋折衷という第三の選択肢が現代的な解として価値を増しています。

 

 

サンプル構成と現在の住居タイプ:洋風63.8%、和洋23.0%、和風13.2%

和洋折衷が選ばれる理由は何ですか?

畳の癒しと洋の合理性を同時に取り入れ、暮らしの最適点を狙えるからです。

回答者は女性が71%、男性が29%で、ライフイベントの多い30代が最も厚く、次いで40代、20代、50代と続きます。居住タイプは洋風が多数派で、和洋折衷が準多数派、純粋和風は最少数派でした。和洋折衷が一定規模で存在するのは、畳の癒しや寝転びやすさ、障子・襖の可変性といった和の利点を、洋の機能性と両立させたいという合理的要求の反映です。新築市場でも、LDK脇の畳コーナーや小上がり、可動間仕切りなど、和的要素の点在を許容する設計が一般化しつつあり、暮らしの実装としての「ミックス」が定着していると評価できます。

 

 

現在住んでいる住宅タイプの分布(n=500)

現在住んでいる住宅タイプの分布(n=500)出典: 訳あり物件買取プロ「和風住宅と洋風住宅のメリット・デメリット」調査 / 運営: 株式会社AlbaLink 会社情報

 

回答者の年代構成(n=500)

回答者の年代構成(n=500)

 

回答者の性別構成(n=500)

 

回答者の性別構成(n=500)

表1. 調査概要
項目 内容
対象・方法 全国の男女/インターネット任意回答
期間 2025年7月26日〜27日
有効回答数 500人(女性355/男性145)
年代構成 20代20.4%/30代34.0%/40代25.4%/50代15.2%/60代以上5.0%

出典: 訳あり物件買取プロ 調査特集

 

 

和風住宅のメリット:落ち着きと可変性がもたらす体感価値

和の具体的な強みは何ですか?

畳の触感と香り、障子・襖の可変性、陰影と素材感が日常の満足を底上げします。

和風住宅の居住者が挙げたメリットの首位は「落ち着く」42.4%、次いで「寝転びやすい」19.7%、「雰囲気が好き」13.6%でした。畳の柔らかな弾性、素足が心地よい床面の触感、障子越しの光や欄間の意匠がもたらす陰影のグラデーションは、論理では表現しがたい満足を日常に付与します。さらに、襖や障子で空間を分節・連結できる可変性は、日中は広間、夜は寝室、来客時は客間といった多目的な使い分けを容易にします。現代の住宅で求められるのは「固定化された機能」ではなく、暮らしのリズムに応じて器の方が柔らかく変化することです。和はまさにその構造を備えています。一方、数値化しづらい利点であるがゆえに、設計・施工・メンテナンスで意図的に守り育てる姿勢が不可欠です。畳や障子は手をかけるほど質が維持され、香りや触感の体験値は高まります。

 

和風住宅のメリット(上位3・n=66)

和風住宅のメリット(上位3・n=66)出典: 訳あり物件買取プロ 調査特集

和風住宅のメリット上位5(要旨)
順位 項目 ポイント
1 落ち着く 癒し・精神的な快適さ
2 寝転びやすい 畳のクッション性
3 雰囲気が好き 和の趣・素材感
4 広々と使える 襖・障子で可変
5 畳の香りが良い い草のリラックス効果

 

 

和風住宅のデメリット:断熱・隙間・虫、技術課題と付き合う知恵

和で最初に手を打つ改善は何?

開口部断熱と気密補修、換気計画の最適化、畳の防ダニ・乾燥管理の三点セットです。

和風住宅のデメリットは「断熱性能が低い」30.3%、「隙間が多い」21.2%が上位を占め、自然素材と開放的設計の裏面が明瞭です。木材の収縮や土壁のひびは経年により避けがたく、隙間は冷暖房効率・騒音・虫侵入など複合的にストレスの源となります。畳は張替・メンテに手間と費用が伴い、現代のライフスタイルに合わない床の間・仏間等が使いづらさを生むことも指摘されました。とはいえ、和モダンの設計では高断熱・高気密の技術を積極的に取り込み、二重サッシ・断熱改修・気密補修・換気計画の最適化などで快適性を再定義する動きが進んでいます。虫に関してはシロアリ対応、畳の防ダニ仕様、定期的な乾燥・清掃といった生活ルーティンで大半を抑制可能です。和の情緒価値を維持しながら性能課題を縮小するには、点検と手入れの習慣化、改修の計画性、素材と工法への理解が鍵となります。

 

和風住宅のデメリット(上位2・n=66)

和風住宅のデメリット(上位2・n=66)

出典: 訳あり物件買取プロ 調査特集

和風住宅のデメリット上位5(要旨)
順位 項目 ポイント
1 断熱性能が低い 冬寒く夏暑い
2 隙間が多い 経年で風・音・虫
3 虫がよく出る 素材・隙間由来
4 畳のメンテが面倒 張替・清掃コスト
5 間取りが使いにくい 床の間・仏間等

 

 

洋風住宅のメリット:掃除・動線・バリアフリーの効率設計

洋の効率性の源泉は何ですか?

フローリングとLDK中心設計、回遊動線・段差配慮など標準化の恩恵です。

洋風住宅の強みは、床材・間取り・設備の標準化による日常運用のしやすさです。最大票の「掃除が楽」42.0%は、フローリングの拭き取り性と掃除機・ロボット掃除機の適合性を背景に、家事時間を短縮し清潔度を維持しやすい点が評価されています。「雰囲気がおしゃれ」10.7%は、外観・内装のモダン性だけでなく、家具・照明・家電との相性の良さに起因します。「使いやすい生活動線」7.5%は、回遊動線や廊下の最適化、LDK中心の生活編成による無駄の削減を指します。さらに「リビングでくつろげる」「バリアフリーになっている」といったコメントは、日当たり・広さ・開放感と段差・手すり・階段勾配の配慮といった、日々の疲労を軽減する持続可能な暮らしの設計に直結します。

 

洋風住宅のメリット(上位3・n=319)

洋風住宅のメリット(上位3・n=319)

 

洋風住宅のメリット上位5(要旨)
順位 項目 ポイント
1 掃除が楽 フローリングで清掃容易
2 雰囲気がおしゃれ モダン・統一感
3 使いやすい生活動線 回遊・無駄の少なさ
4 リビングでくつろげる LDKの開放感
5 バリアフリーになっている 段差・手すり等

 

 

洋風住宅のデメリット:床冷え・蓄熱・湿気、快適性の盲点

洋の体感不満を減らす鍵は何?

日射遮蔽と床・窓断熱、換気除湿の連携、畳コーナーでの体感補正の併用です。

洋風住宅のデメリットでは、「冬に寒い」12.5%と「夏に暑い」11.3%がワンツーで、床材・断熱・日射制御・換気の総合設計に起因する課題が浮かびます。南面大開口の採光は昼間の快適をもたらす半面、日射取得過多や夜間放熱の不足が起こると、朝夕の体感にギャップが生じます。気密性の高さは「湿気がこもりやすい」6.0%につながり、結露・カビ・ダニの温床となることも少なくありません。さらに、フローリング中心の暮らしでは「気軽に寝転べない」5.6%、「和室がない」4.7%と、体を預ける場や客間としての汎用性に物足りなさが表出します。対策は明快で、日射遮蔽(庇・外付けブラインド)、断熱性能の底上げ(床・窓リプレース)、24時間換気と除湿の連携、アクセントとしての畳コーナー導入が効果的です。洋の効率性を保ちつつ、体感の質を上げるアップデートが鍵です。

 

洋風住宅のデメリット(上位5・n=319)

洋風住宅のデメリット(上位5・n=319)

 

 

総括:好みと合理の最適点へ。和洋折衷という現実解

最適解に近づく設計の順番は

家族の行動パターンを先に描き、断熱・日射・換気と可変性を後から器に織り込む手順です。

500人アンケートの帰結は、洋風住宅が標準となった現実と、和的価値がいまなお強い求心力を持つ事実の同居です。掃除と家事動線の効率化、バリアフリーという持続可能な暮らしの器として、洋風は合理的で再現性があります。他方、和は香り・触感・陰影といった身体感覚に根ざす豊かさ、障子や襖で空間を可変する設えの知恵が、生活の質を深く支えます。多くの家庭は、和洋折衷という設計思想でこの二つを接続し、自分たちの暮らしに最も適した配合比を探ります。新築なら日射遮蔽と断熱・換気の総合設計に、既存住宅なら窓・床の断熱改修と畳コーナーの導入に投資すると、体感と運用コストの両面で効果が大きいのが経験則です。最終的には、どの時間帯にどこで何をするかという家族の行動パターンが答えを教えてくれます。暮らしの地図を描き、そこに器を当てていく順番で考えること。それこそが、和と洋の最適点に至る最短ルートです。

 

 

参考・出典リンク

 

本記事の図表・グラフは、下記アンケート特集の公開数値に基づき作成しました。グラフは背景無色、文字・数値は黒で表示しています。

 

出典: 訳あり物件買取プロ「和風住宅と洋風住宅のメリット・デメリット」調査 / 運営: 株式会社AlbaLink(会社情報)

参考: 国土交通省(住宅・建築)住宅金融支援機構(住宅取得の基礎知識)一般社団法人リノベーション協議会

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