「エコキュート」 選び方から補助金まで!!2019~2020

オール電化・ZEH住宅の要は「エコキュート」

エコキュー

 

エコキュートのエネルギー効率

給湯用給湯設備の省エネ化と経済性の改善がオール電化の主眼となっています。

 

電気を熱源とするのは非効率!?

家庭で消費されるエネルギーのうち、給湯に占める割合は約36%です。そのため給湯熱源の省エネ化か重要な課題となっています。現在、住宅用の給湯には、ガス、灯油、電気をエネルギー源とした給湯器が用いられていますが、熱源としてのエネルギー効率だけを単純に比較すれば、電気は石油やガスに比べて明らかに劣ってしまいます。

 

たとえば、火力発電では石油や天然ガスを燃やして高圧の水蒸気をつくり、その噴射パワーでタービンを回して発電します。そのとき電気として取り出せるのは、石油やガスの燃焼エネルギーの約40パーセントといわれています。さらに、発電所から需要地までの送電口が数%ほどであるので、家庭で使えるのは、元の石油や天然ガスの燃焼エネルギーの約36パーセントとなってしまいます。石油やガスをそのまま自宅で燃やせば燃料効率は100%ですから、その差は明らかです。そのため今まで電気は熱源として利用されてきませんでした。また、炊飯器は熱量が少ないので利便性が優先されて使われています。

 

しかし、ヒートポンプ式給湯器が登場して、給湯における電気のエネルギー効率が逆転しました。というのも、石油やガスでは、燃焼エネルギーの2割が大気に逃げてしまいますが、ヒートポンプ式では逆に、供給する電気エネルギーの2倍の熱を大気から取り込むので、供給電力と合わせて3倍の熱量がお湯になるのです。つまり総合的に電気のほうが28%の省エネになるのです。オール電化が注目される背景には、ヒートポンプ式給湯器の登場なのです。

 

 

 

給湯器の種類とエコキュート

エコキュートの種類

 

火を使わず空気を汚さないのが、エコキュートの大きな魅力です。

 

オール電化の主役はエコキュート

住宅の給湯は、浴室の浴槽、シャワー、カラン・蛇口、洗面所の給湯、キッチンの給湯などがその対象となり、それぞれに適応した湯の温度は以下のように設計されます。給湯器には、必要なときに必要なだけの湯を沸かす瞬間式と、あらかじめ水を沸かしてタンクに貯めておき、必要なときにその湯を送り出す貯湯式の2種類があります。ガス給湯器と灯油給湯器が瞬間式で、水栓を開いた瞬間にバーナーが着火・燃焼して給湯器内の水を熱して瞬間的にお湯をつくり出します。いっぽう電気を熱源とする給湯器の場合には、ガスや灯油のように瞬間的に湯を沸かすことができないので、貯湯式が用いられます。

 

また、電気給湯器は、電気ヒーターで直接水を温める方式と、ヒートポンプ(エアコンの室外機のようなもの)で外気の熱を汲みあげて利用するものの2種類があり、前者を電気温水器、後者をエコキュートと呼んで区別しています。電気給湯器は、3?4人家族の場合では貯湯夕ンク容量が370リットルとなり、その電気容量は、電気温水器で4.4キロワット、エコキュートで1.8キロワットが目安となります。電気温水器もエコキュートも、料金の安い深夜電力を利用して、夜のうちに湯を沸かして経済性を高めますが、本サイトのテーマであるオール電化の主役は、エネルギー効率の良いエコキュートです。電気給湯器の特徴は、何といつでも火を使わないことによる安心感と、臭いやススが出ない快適性です。

 

給湯器の瞿類と特徴

長所 短所 価格・耐久性
ガス給湯器

初期費用が安い

 

設置スペースが小さい

ランニングコストが高い

 

運転音がする

約35万円

 

8~10年

石油給湯器

初期費用が安い

 

ランニングコストが安い

 

設置スペースが小さい

燃料の補給が必要

 

運転音がする

約35万円

 

8~10年

電気温水器

火を使わないので安全性が高い

 

運転音がない

 

ランニングコストが安い

初期費用が多少高い

 

設置スペースが必要

約45万円

 

15年以上

エコキュート

火を使わないので安全性が高い

 

ランニングコストがかなり安い

初期費用が高い

 

設置スペースが必要

約80万円

 

10年以上

 

 

ヒーターがないのにお湯が沸く

大気の熱でお湯を沸かすヒートポンプ!!

 

ヒートポンプのしくみ

エコキュートでは、水を沸かすためにヒートポンプと呼ばれるしくみを使います。気体は圧縮すると温度が上かって発熱し、膨張(減圧)すると温度が下かつて熱を吸収することはよく知られています。気体のこの性質を利用して、コンプレッサー(圧縮機)で気体を循環させながら、途中で圧縮と膨張を行い、熱交換機で熱の吸収と放出を行うのがヒートポンプです。低温の場所から高温の場所へ熱を運ぶようすが、ちょうど水を低地から高地へ汲み上げるポ大きな熱量を汲み上げる技術が開発されたことで、給湯にも利用できるようになりました。

 

エコキュートのいちばんの特徴は、小さなエネルギーで大きな熱を運べることです。コンプレッサーの駆動電力の2倍以上の熱エネルギーを外気から吸収して、コンプレッサーの圧縮エネルギーと合わせて合計3倍以上の熱エネルギーが得られます。このように省エネ効果が高く、発電所の負荷が少なくてすむので、従来の燃焼式給湯器と比べてCo2排出量が約2分の1になるといわれています。

 

 

エコキュートは深夜電力で経済的

料金の安い深夜に湯を沸かすので経済的!!

 

割安なオール電化の電気契約

エコキュートや電気温水器は、ゆっくり時間をかけてお湯を沸かすので、深夜の電力需要の少ない時間帯に稼働させるほうが発電所に負荷をかけずにすみます。そのため電力会社では、深夜の電力料金を安くして、その時間帯に経済的に貯湯が行えるように便宜を図っています。

 

一般に、深夜の電気料金割引は、深夜電力と呼ばれるメニューが知られていますが、これは電気温水器を独立の電力で運転させるもので、エコキュートではこの深夜電力契約ではなく、家庭内のすべての電力を時間帯で料金を分けてカウントする、時間帯別電灯契約を適用します。また、電力会社によっては、この時間帯別電灯契約に全電化割引を加えて、さらにランニングコストの引き下げが図れるサービスを用意しています。

 

 

エコキュートの製品選び

家族構成や生活スタイルに合った機種を選ぶことが大切です。

 

貯湯タンクの容量を選ぶ

エコキュート(ヒートポンプ式給湯器)設備は、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの2つの装置で構成されます。ヒートポンプユニットは、エアコンの室外機と基本は同じです。設備を選ぶ際にポイントになるのは、貯湯タンクの容量です。1日で使う湯量に合わせて最適な容量を選ぶことが大切で、3人?5人家族用なら370リットル、5人~6人用なら4600リットルが目安になります。これはあくまでも目安で、家族のライフスタイルを勘案しながら検討します。そして貯湯タンク内に貯えられる湯温は約85度で、使用時に水と混合して給湯するので、タンク容量が370リットルなら使えるお湯の量は850リットルになります。

 

住まいの環境で仕様を決める

給湯器は設置環境を考慮しながら最適なタイプを選ばなければなりません。ます第一は設置スペースの問題です。タンクの設置スペースは、奥行き73センチ、幅63センチというのが標準サイズで、奥行きが取れないときは、夕ンクが2個に分かれて奥行き45センチの2タンク薄型タイプが用意されています。なお、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットが一体になった省スペースタイプもあります。また2階や3階にも給湯が必要なら、超高圧や水道直圧タイプを検討しなくてはなりません。さらに、海辺の地域なら防錆効果を高めた耐塩害仕様を、外気温かマイナス10度以下になる寒冷地なら、マイナス20度でも高温沸き上げできる寒冷地仕様のものを選ぶ必要があります。

 

 

エコキュートのメリット

エコキュートは省エネルギーで環境に優しい温水供給システムとして注目されています。以下に、エコキュートの主なメリットを詳しく解説します。

 

高い省エネルギー性

エコキュートは、熱源として空気や地中の熱を活用し、電気を効率的に使うことで、従来の電気温水器に比べて大幅な省エネルギー効果を発揮します。自然なエネルギーである空気や地熱に頼っているため、CO2排出量の削減やエネルギーの節約に貢献します。空気や地中の熱を熱源として利用することで、外部からのエネルギー供給を極力抑えます。また、高効率な熱ポンプを採用することで、少ないエネルギーで多くの熱を発生させることが可能です。

 

さらに、エコキュートは断熱性能が高く設計されています。適切な断熱材や断熱構造により、生成されたお湯が高温で内部に保持されます。これによりエネルギーの浪費を防ぎます。また、エコキュートには温水の必要に合わせて正しい制御が行われる機能も搭載されています。予温機能や複数機能を活用することで、必要なときに必要な量の温水を供給することが可能です。無駄な温水の供給を防ぐことで、エネルギーの無駄な消費を抑えます。

 

これらの要素により、エコキュートは高い省エネルギー性を実現しています。省エネルギーの効果により、電気使用量やエネルギーコストを削減することができます。また、再生可能エネルギーの活用やCO2排出量の削減にも貢献します。

 

給湯性能の向上

エコキュートは高い給湯性能も持っています。従来の温水器に比べて大容量の給湯が可能であり、多人数や大家族の家庭でも快適に温水供給が可能です。温度調節が精度よく行われるため、お湯の快適な使用が期待できます。

 

エコキュートは内部のセンサーや制御システムを使って温水の温度を一定に保ちます。設定した温度を維持しながら給湯を行うため、入浴や洗い物などの使用時においても温度変化が極めて少なく、安定した快適な温水の供給が行われます。

 

さらに、エコキュートは多くのモデルが大容量の給湯能力を持っています。大家族や必要の多い家庭でも、一度に多くのお湯を使っても十分な給湯量を確保することが可能です一部のモデルでは、時間帯や使用状況に応じて給湯量を調整する便利機能もあります。

 

エコキュートの給湯性能は、熱ポンプや制御システムの高い効率性によって実現されるため、 熱源からの熱の入り込みや水の加熱、温水の維持などのプロセスが効率的に行われるため、給湯時のエネルギーの浪費を考慮することができます。給湯性能の向上により、 高速な温水供給と安定した温度制御により、入浴や洗い物などの生活動作がスムーズに進みます。給湯能力は必要な多い家庭や大家族にとっても十分な給湯量を確保します。

 

安定した温水供給

エコキュートは蓄熱タンクを備えており、一度に大量のお湯を供給することができます。エコキュートは内部にセンサーや制御システムを備えており、給湯時の温度制御を高精度で行います。この制御システムにより、設定した温度を一定に保ちながら給湯を行い、お湯の温度変化を最小限に抑えますそのため、入浴や洗い物などの生活動作においても、日常的に、快適な温水を利用することができます。

 

また、エコキュートは高効率な熱交換器を使用しており、迅速かつ効率的にお湯を加熱します。そのためお湯を使う際に時間が短くなり、忙しい朝や多人数での利用時でもストレスなくお湯を利用できます。さらに、エコキュートは大容量の給湯能力を持っています。 家族の人数や必要に合わせて正しいモデルを選ぶことで、一度に必要なお湯の量を確保することができます。使用や大量のお湯の必要があっても、エコは安定した給湯量を提供します。

 

このように、エコキュートの安定した温水供給は、快適な生活を実現する上で非常に重要です。 温度制御の精度や迅速な温水供給、大容量の給湯能力が組み合わさることで、常に安定した温水が利用できるため、入浴や洗い物などの日常生活がスムーズに進みます。

 

また、エコキュートはエネルギー効率の高い給湯システムであり、省エネルギー性も高いという暇もあります。これにより、環境への負荷を軽減しながら経済的な運用が可能です。

 

長寿命でメンテナンスが簡単

エコキュートは、耐久性が高く、なんとなく使用することができます。また、メンテナンスも比較的簡単であり、定期的な清掃やフィルターの交換などを行うことで、効率ような動作を維持することができます。

 

複数の機能や設定が可能

エコキュートには、パソコン機能や湯はり保温機能、省エネモードなど、さまざまな機能や設定があります。これにより、使用時間や温度などを調整し、より効率的な利用や快適な温水供給を実現することができます。

 

安全性

危険防止装置や過圧防止弁などがあり、異常な状況が警戒された場合には自動的に運転を停止する仕組みがあります。これにより、ユーザーの安全を確保し、火災や事故のリスクを軽減することができます。

 

以上がエコキュートの主なメリットです。省エネルギー性や給湯性能の向上、安定した温水供給、長寿命性、安全性、多機能性、デザインの多様性など、さまざまな面で余裕があります。設置や運用には適切な注意やメンテナンスが必要ですので、専門家のアドバイスや取扱説明書を参考にすることを推奨します。

 

エコキュートの付加機能

足し湯や追い焚きができるフルオートタイプが便利でお勧めです。

 

給湯機能は3タイプ

エコキュートの機種には、給湯機能の違いで以下の3タイプがあります。

①給湯専用タイプ

蛇口を手で開け閉めしてお湯をはるタイプ。差し湯や足し湯も蛇口の開閉で行います。

 

②セミオートタイプ

全自動でお湯はりができるタイプ。リモコン操作で差し湯と足し湯ができます。

 

③フルオートタイプ

お湯はりから保温、足し湯を全自動で行うタイプ。追い焚きもリモコン操作でできます。オートタイプのリモコンには、浴室側のボタンで台所側を呼び出しせる機能やインターホン機能が付いているものもあります。なおリモコンが別売の機種もあるので必ず確認が必要です。

 

 

多機能タイプも選べる

給湯の基本機能のほかに、お湯を有効に活用して何役もこなす、多機能機もあります。

 

①床暖房機能

不凍液を温めて専用配管で循環させて、床暖房を行うもの。ヒートポンプユニットで不凍液を加熱するタイプと、貯湯タンク内の温水で加熱するタイプがあります。

 

②浴室換気暖房乾燥機能

床暖房と同様のしくみで浴室内を暖房したり、乾燥させる機能。暖房時に湯気を発生させるミスト機能の備わったタイプもあります。なお、床暖房や浴室暖房は、昼間に運転する場合、貯湯タンク内の湯量が足りないと、エコキュートが深夜電力外で運転をはじめるので、割高な電気料金がかかることがあります。

 

 

エコキュート設置場所の留意点

都市部では設置スペースの確保が導入の鍵になります。

 

換気と点検スペースの確保が必要

エコキュートを導入する際には、その設置スペースに留意しなければいけません。ただユニットが置ければよいわけではないからです。まず、貯湯タンクユニットの置き場所は、湯冷めを防ぐため、バスタブに近い場所が望ましいのはいうまでもありませんが、ヒートポンプユニットとも近いのが理想です。そして、貯湯タンクの点検時に、前面に人が立てるスペース(60センチ以上、80センチ推奨)を確保しておかなければなりません。そのため、点検用パネルを横に配置した機器もあります。

 

次にヒートポンプユニットは、効率よく大気から熱を汲み上げるために、吸気口と吹出口に障害物がこない場所に設置することが大切になりま下のうち少なくとも3方向を開放して、通風路を確保します。また、点検時に人が近付ける通路と、天板を外すために上面30センチのスペースが必要になります。

 

隣家との離隔距離に留意する

もう一つ重要なのが、ヒートポンプユニットと隣家との離隔距離です。エコキュートは深夜に湯沸かしを行うので、夜間に動作音がします。最近の機種は、動作音が図書館内の音量と同等のレベルまで低くされていますが、隣家の窓に近いなどあまり離隔距離がないときには留意すべきです。問題になるときは、ヒーター式の電気温水器の導入に切り替えます。

 

 

 

導入費用と補助金制度

平成30年現在、454の自治体が補助を実施!!

 

導入にいくらかかるのか

エコキュート機器の価格は、貯湯タンクの容量や機能によって異なります。

 

国の補助金制度を活用する

エコキュートの導入には、国の補助金制度が利用できます。一般社団法人日本エレクトロピートセンターが実施する「エコキュート導大補助金制度」で、2007年3月に閣議決定された京都議定書目標達成計画に盛0込まれた「Co2冷媒ヒートポンプ給湯器の加速的普及を図るため、その導入に支援を行う」という内容を受けた制度です。

 

①補助金の募集方法

これからエコキュートの導入を予定する住宅などが対象で、年に4回の募集が行われています。受付は先着順で、受理結果の公表は、申込書の到着から約4営業日後に行われます。募集期ごとの予算に限りがあるので、募集期間中に申込額の合計が予算額を超えた場合は抽選になります。

 

②補助金の応募方法

所定の申し込み用紙に必要事項を記載・押印して、導入予定者本人が郵送で申し込みます。なお、申し込み前に到着した場合は無効となるので注意が必要です。また、すでに着工している場合には申し込めません。

 

③補助金の対象費用と金額

補助金の対象となるのは、ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、台所リモコン、風呂リモコンの4つの機器の合計で、そのほかの付属部品や配管などの設置にかかる工事費は含まれません。また、新規購入が対象となり、中古品は対象外となります。

家庭用のエコキュートを設置する場合の補助金額は、年度によって変わりますが平成30年度は1台につき5万円でした。

 

④応募要件

応募には、以下の7つすべての要件を満たさなければいけません。

①エコキュートを購入して使用する本人が申し込む

②メーカーの申請に基づき、補助対象給湯器として指定されたエコキュートを設置する

③設置(据付)前に申し込み、受理の確認後に設置(据付)する

④設置工事完了期限日および補助金交付申請書類提出期限を厳守できること

⑤他の国庫補助金と重複して補助を受けないこと

⑥電力会社および過去の補助金交付団体への個人情報提供に同意できること

⑦エコキュートを6年(法定耐用年数)以上使用できること

 

 

■自治体独自の補助金制度もある

 

国の補助金だけでなく、各地方自治体で独自に補助金を用意している場合もあります。国の補助金と合わせて応募できるので、居住の市町村に確認してあくどよいでしょう。なお、自治体によっては、太陽光発電と一緒に設置しないと助成が受けられない場合もあるのでそれぞれ詳細の確認が必要になります。

 

 

エコキュートの施工

基礎工事(設置1週間前)

エコキュートの貯湯タンクユニットは、タンクが満水状態で500キログラムを超える重量になります。そのため、設置床面はその重量に十分耐えられる強度が必要になりますし、地震でも倒れないようしっかり固定しなければなりません。エコキュートの設置にあたっては、事前に建築設備耐震設計・施工指針に則した貯湯タンク床面の基礎工事が必要になります。コンクリート基礎の場合で約1週間ほどの養生期間が必要になり、十分固まってからアンカーボルトを取り付けてタンクユニットを設置します。タンク設置時に組み立てて使えるエコペースと呼ばれる簡易基礎もありますが、時間が許せば現場打ちの基礎にすることをおすすめします。

 

 

電気工事

エコキュートの電気工事は、分電盤に専用の配線用ブレーカーを新設して、そこから直接エコキュート機器にケーブルをつなぎます。また、エコキュートは深夜の時間帯に主に運転するので、深夜の電気料金を安くする、時間帯別の料金契約を利用することになります。そこで、使用電力を積算する電力量計を、時間帯ごとに使った量が積算されるメーターに交換する工事が必要になります。

 

ガスメーターの撤去と閉栓

エコキュート機器の設置に際しては、今までの給湯設備の取り外しが必要になります。ガス給湯器の場合は、ガス会社に依頼して、エコキュート設置当日朝にガスメーターの取り外しとガスの閉栓を依頼します。閉栓が終わったら、ガス給湯器を撤去できます。

 

エコキュートの設置

ガス給湯器を撤去したら、速やかにエコキュート設備を設置します。あらかじめ用意した基礎にアンカーボルトを取り付け、貯湯タンクを固定します。ガス給湯時に使っていた配管に、タンクをつなぎ、タンクとヒートポンプユニットを配管します。そして電源ケーブルの接続を行えば作業は完了します。なお、バスルームと台所に設置するリモコンは、今まで使っていたガス給湯のリモコン配線を流用して取り付けます。

 

 

 

保守と運用の留意点

エコキュートの運転を始めたら、次のような点に留意して管理しましょう。

 

蛇口のお湯は飲用には適さない

沸かしたお湯をいったんタンクに貯めておく工コキュートでは、長年使い続けると、貯湯タンクに水あかがたまったり、配管材料が劣化して水質を変化させることがあります。蛇口のお湯はそのまま飲用せす、いちど沸騰させてから飲むようにします(水とお湯の混合栓から水だけを出しているときは、水道水が出ているので通常の飲用と同じでかまいません)。とくに、熱いお湯が出てくるまでの配管内にたまっている水は、雑用水として使うようにします。なお、3、4年おきに施工業者にタンク内の洗浄などの点検を依頼するようにすれば、いつまでも安心して使い続けられます。

 

長期間使わないときはタンクの水抜きを

 長期間お湯を使わないでいるとタンク中のお湯が水質変化を起こしてしまうおそれがあります。そこで、お湯を1ヵ月以上使わない場合には、貯湯タンクとヒートポンプ内の水を抜いておくようにします。タンクの水抜きと再給水の手順は、それぞれの取り扱い説明書を参照して行いますが、気を付けるのは以下の点です。

①必ずブレーカーを先に切る。

 

②熱湯を直接排水しない。タンク内には高温のお湯が貯っているので、ます蛇口からお湯を出し切っておいてからタンクの排水を行う。

 

③通電するときは、必ずタンクを満水にしてからブレーカーのスイッチを入れる。

 

なお、凍結のおそれかおるときは、絶対に電源を切らないようにしなければいけません。どうしても電源を切るときは、タンクの水抜きをしておきます。

 

 

日頃の手入れは長持ちのコツ

 長く使い続けるものだけに、日頃の手入れも大切です。以下のことを覚えておきます。

①貯湯タンクの湯あか出し

タンクの底部にたまる湯あかなどの沈殿物を毎月定期的に流し出します。

 

②風呂配管の洗浄

エコキュートには風呂洗浄機能が備わっています。半年に1度は洗浄剤を使って風呂の配管を洗浄します。

 

③貯湯タンクとヒートポンプユニットの点検

ヒートポンプユニットの換気口にものが入ったり塞いでいないかをいつも確認しておきます。積雪のときは、必ず周囲の雪かきをします。

外装が汚れたときは、台所用の中性洗剤で拭き取り、車用のワックスを軽く塗っておくと痛みが防げます。

 

【参照】

経済産業省:エコキュート補助金
https://kyutou-shoene.meti.go.jp/materials/ecocute.html


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