

この記事でわかること
鉄骨住宅とは、主要構造部に鉄骨を使用した住宅のことを指します。日本の住宅市場では、木造住宅に次いで人気のある構造で、特に都市部や耐震性を重視する地域で選ばれることが多くなっています。国土交通省の統計によると、新築一戸建て住宅の約25%が鉄骨造となっており、その割合は年々増加傾向にあります。


鉄骨住宅には主に3つの構造タイプがあります。「重量鉄骨造」は太い鉄骨を使用し、高い強度と耐久性を持ちますが、コストが高くなります。「軽量鉄骨造」は細い鉄骨を使用し、コストを抑えながらも一定の強度を確保します。「鉄骨ハイブリッド構造」は鉄骨と木材を組み合わせ、鉄の強度と木の温かみを両立させた構造です。
また、工法としては「在来工法」と「ユニット工法」の2種類があります。在来工法は現場で鉄骨を組み立てる方法で、設計の自由度が高い特徴があります。一方、ユニット工法は工場で箱型のユニットを製作し、現場で組み立てる方法で、品質の安定性や工期の短縮というメリットがあります。
鉄骨住宅を検討する際、各ハウスメーカーの特徴や強みを理解することが重要です。ここでは、鉄骨住宅に定評のある6社の特徴を詳しく解説します。
| 主な工法 | 特徴的な技術 | 省エネ対策 | 価格帯(坪単価) | |
|---|---|---|---|---|
| トヨタホーム | ユニット工法、鉄骨軸組構造 | 自動車製造技術を活かした電着塗装 | エコミラーズ(ZEH対応)、V2Hシステム | 60〜90万円 |
| ダイワハウス | テクノストラクチャー工法 | ΣPT接合、スーパーダイマ | 全天候型3電池連携システム、V2Hスタンド | 65〜95万円 |
| セキスイハイム | ユニット工法、タイトフレーム構造 | 快適エアリー | スマートパワーステーション、瓦一体型太陽光パネル | 65〜95万円 |
| 積水ハウス | ダイナミックフレーム・システム | シーカス(制震システム)、スーパーハイブリッド構造 | グリーンファーストゼロ、アクティブ遮熱サッシ | 70〜100万円 |
| ヘーベルハウス | ALC(軽量気泡コンクリート)+鉄骨 | ヘーベル板、モノコック構造 | 太陽光発電システム、高断熱ALC | 68〜95万円 |
| ミサワホーム | MGEO構法(鉄骨ハイブリッド) | ハイブリッドZ工法、ダブル断熱 | GENIUS SONOMA、蓄電池連携システム | 60〜85万円 |

表1: 鉄骨住宅メーカー6社の特徴比較
図3: 各社の性能比較レーダーチャート(5段階評価)
図4: 各社の坪単価価格帯(一般的な仕様の場合)

【自動車製造技術を活かした高品質な鉄骨住宅】
トヨタホームは1975年に設立され、トヨタ自動車の「クルマづくり」の技術とノウハウを住宅建築に応用したハウスメーカーです。2020年には住宅事業を統合し、トヨタホームを中核とするプリマハム株式会社が誕生しました。
同社の最大の特徴は、自動車製造で培った高精度な品質管理システムを住宅建築に導入している点です。特に鉄骨加工においては、自社工場での一貫生産体制を構築し、厳格な品質基準のもとで製造が行われています。
トヨタホームは自社で鉄を加工する技術を持ち、鉄骨部分には自動車にも使われる電着塗装技術を施しています。この技術により、鉄骨の内部まで塗料が浸透し、優れた防錆性能を実現しています。実際の耐久試験では、一般的な鉄骨の約3倍の防錆性能を示しています。
また、品質管理においてはトヨタ自動車の「トヨタ生産方式」を採用し、各工程での厳格なチェック体制を敷いています。これにより、均一で高品質な鉄骨部材の生産を可能にしています。
※価格帯:坪70〜90万円(標準仕様の場合)
※価格帯:坪60〜80万円(標準仕様の場合)
トヨタホームは環境技術にも力を入れており、「エコミラーズ」というZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応住宅を提供しています。太陽光発電システム、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、高効率給湯器などを組み合わせ、エネルギー消費を大幅に削減する住宅を実現しています。
また、トヨタ自動車のハイブリッド技術を活かし、電気自動車やPHV(プラグインハイブリッド車)と住宅を連携させるV2H(Vehicle to Home)システムも提供しています。これにより、災害時の非常用電源としても活用できる点が特徴です。
トヨタホームの保証内容
トヨタホームは、一般社団法人日本顧客満足度調査協会の「ハウスメーカー顧客満足度調査」において、2019年から3年連続で総合1位を獲得しています。特に「品質・性能」「アフターサービス」の項目で高い評価を得ています。
実際の顧客からは、「自動車メーカーならではの品質管理の徹底さに安心感がある」「工期が予定通りに進み、引き渡し後のフォローも丁寧」といった声が多く聞かれます。一方で、「他社と比べて価格がやや高め」という指摘もあります。
品質と耐久性を最重視する方、工期の短さや確実性を求める方、アフターサービスの充実を望む方

【「自給自足の家」で災害に強い住まい】
ダイワハウスは1955年に創業した日本最大手のハウスメーカーで、創業者の石橋信夫氏の「何でも挑戦してみよう」という精神のもと、住宅業界に革新をもたらしてきました。特に鉄骨プレハブ住宅のパイオニアとして知られ、「ミゼットハウス」から始まり、現在では多様な住宅商品を展開しています。
同社の最大の特徴は「自給自足の家」というコンセプトです。これは単なる省エネ住宅ではなく、災害時にも自立して生活できる住まいを目指したものです。東日本大震災の経験から、二次災害への備えを重視した住宅づくりを行っています。
ダイワハウスの注文住宅は、一般的に高品質仕様の分、坪単価は高めに設定されています。複数の調査では平均で約80~85万円/坪程度とされ、30坪の建物本体価格なら概ね2,400~2,800万円前後が目安となります。代表的な商品シリーズ別の坪単価目安は次の通りです。
鉄骨造の2階建てで、高天井(2.72m)設計による大空間が特徴。坪単価は約70万円~。
xevo Σ Premium:xevo Σの上位グレードで、さらなる高級感やデザイン性を追求。坪単価は約80万円~とされています。
鉄骨技術を活かした耐震木造プラン。国産木材を用いた伝統的平屋など含み、坪単価は約70万円~。
xevo BeWood(ビーウッド):コストを抑えた木造プラン。オリジナル断熱で性能を確保しつつ、坪単価は約65~75万円と比較的低め。
重量鉄骨造で3~5階建て対応の都市型商品。縦型敷地や賃貸併用にも対応し、坪単価は約80~130万円と幅広い(高層階建てや店舗併用で高額に)。
混構造による都市型高級住宅。鉄骨+木造+RC の組合せで豪邸仕様、坪単価は約165万円以上と富裕層向け。
各シリーズでプランやオプションにより価格は変動しますが、上記のように65万円~100万円以上/坪の価格帯が想定されます。
ダイワハウスは高強度の鉄骨構造・木造構造と独自技術により、高い耐震・省エネ・断熱・防音性能を実現しています。主なポイントは次の通りです。
独自の「軽量鉄骨ブレース構造」を標準採用し、高い耐震性能を発揮します。重量鉄骨造(スカイエ)も用意し、剛性を確保。さらに、xevoシリーズでは地震エネルギーを吸収する制震装置(Σ形ダンパーなど)も併用し、繰り返し大規模地震にも耐える設計です。ダイワハウスでは構造体と雨仕舞部分の初期保証を30年とし、長期にわたり安心して住める性能を担保しています。
外張り断熱工法により、壁・天井・床を高性能断熱材で包む「ダブル断熱」構造を採用していますす。標準仕様で132mm(さらにエクストラV仕様で184mm)もの厚い断熱層を確保し、窓周りも断熱対策。地域別に選べる3段階断熱仕様で、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー住宅)基準にも対応可能です。これにより高気密・高断熱を実現し、冷暖房負荷を低減します。
二重の防振構造で外部騒音を抑える工夫をしています。xevoΣでは外壁にダブル断熱材を用い振動を吸収する構造でD値50(JIS遮音等級、鉄筋コンクリートマンション相当)の高い遮音性能を実現。また、2階以上の床にはマルチプレックス遮音床(防振ゴム+吊り天井)を標準採用し、階下への衝撃音も低減します。これらにより、防音室を用意するまでもなく生活音の遮断性が高められています。
耐火性能や省エネ(太陽光発電・蓄電池対応)などにも取り組んでいます。たとえば太陽光搭載やエネファーム設置もオプションで対応可。総じて「高耐震・高断熱・高気密・高遮音」を謳い、長期優良住宅認定水準の性能を達成できる仕様が用意されています(断熱等級6~7相当が可能)。
ダイワハウスは完全自由設計を基本とし、一級建築士や専門コーディネーターがチームで理想のプランを形にします。具体的には、全国から選抜された「ハウジングマイスター(Team-Xevo)」と呼ばれる設計担当者が、お客様の要望やライフスタイルを丁寧にヒアリングして設計します。建築士・インテリアコーディネーター・技術者など、多角的な専門スタッフがチームを組み、「世界にひとつだけの住まい」を共に作り上げていきます。
高い設計提案力を誇るプロ集団(Team-Xevo、ZIZAIデザイナー)によって、敷地形状や予算を踏まえた最適なプランが示されます。内装もトップコーディネーターが一貫して担当し、光や収納など細部まで要望を反映します。営業担当だけでなく専任設計者が密に打ち合わせを行うことで、細かな要望や生活動線の相談にも応えられる体制です。
鉄骨造商品(xevo Σシリーズなど)では天井高2.72mもの高天井が標準で、大開口窓や吹抜けによる開放的な空間を実現できます。一般的な重量鉄骨造より有効面積が広い軽量鉄骨フレームを採用し、都市部の限られた敷地でも広い間取りが取れる設計が可能です。またスカイエなどでは敷地に応じた最適な基礎と構造を提案し、3~5階建て二世帯や店舗併用にも対応します。こうした構造技術と設計サポートにより、高い自由度で理想の間取りを実現できます。
ダイワハウスは長期にわたるアフターサポートをアピールしており、保証制度と点検体制が充実しています。主な内容は以下の通りです。
引き渡し後、1ヶ月目・6ヶ月目・1年目・2年目・5年目に無料定期点検を実施。以降は5年ごとの点検を30年目まで無料で行います。点検はチェックシートに沿い目視・測定で行い、必要な補修箇所を指摘・提案する方式です。また24時間365日対応のコールセンターも用意し、緊急のトラブルや相談にも対応しています。
構造耐力上主要な部分および雨水侵入防止部分の初期保証は30年間です。引き渡し時点からの30年間の定期点検受けることが条件で、それ以降に有償メンテナンス工事を実施すれば、保証を15年ごとに延長(最長60年以上)できます。シロアリ処理も初期10年間保証(以降5~10年ごとの有料処理で延長可)。住宅設備機器(給湯器・キッチン・トイレなど)には10年保証制度があり、指定機器の自然故障について無償修理・交換を受けられます。このように他社には珍しい長期保証を設け、60年以上のサポート継続を可能としています。
点検や補修のほか、入居後も情報提供や相談機能があります。オーナー向けWEBサービス「ダイワファミリークラブ」でメンテ情報や住まいのコラムを発信するほか、専用アプリ等で修理依頼が可能です。引き渡し後も担当営業やメンテナンススタッフが継続的にサポートし、長期にわたるアフターケアを行います。
公式情報ではダイワハウスのアフターサービスは「60年にわたる長期メンテナンスサポート」を特徴としています。実際、長期保証や定期点検制度は安心材料とされています。一方で、実際のユーザー口コミには「一部点検で対応に不満があった」といった声も散見されるため、担当者との相性や施工品質にも注視が必要です。総じて、ダイワハウスは業界屈指の長期保証体系とサポートを整えています。今後も定期メンテナンス計画に基づくサポートで、築後のトラブルを未然に防ぎ、安心して住み続けられる体制を維持しています。
【「元祖自給自足の家」と高い省エネ性能】
セキスイハイムは、積水化学工業株式会社のグループ会社として1971年に設立されました。「あったかハイム」のCMでおなじみのハウスメーカーで、ユニット工法のパイオニアとして知られています。
同社の最大の特徴は、他社に先駆けて太陽光発電システムを住宅に導入し、「元祖自給自足の家」とも言える省エネ住宅を提供してきた点です。通称「ゼッチ」と呼ばれるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及率は業界トップクラスで、2020年度の新築戸建住宅におけるZEH比率は87%に達しています。
セキスイハイムのユニット工法は、工場で鉄骨の箱型ユニットを製作し、現場で組み立てる方法です。工場での生産率は約80%に達し、現場での施工期間を大幅に短縮できます。一般的な木造住宅が3〜4ヶ月かかるのに対し、セキスイハイムでは最短2ヶ月で完成することも可能です。
また、工場での生産は厳格な品質管理のもとで行われるため、品質の安定性が高いのも特徴です。特に目に見えない部分の品質にこだわりたい方に適しています。ユニットの接合部には独自の「タイトフレーム構造」を採用し、高い耐震性を実現しています。
「快適エアリー」は、セキスイハイムが提供する全館空調システムです。空気清浄機と除湿機能を備えたエアコンで、玄関から2階の各部屋まで家全体を一定の温度に保ちます。
快適エアリーの主なデメリットは、床に通風孔ができることです。これにより床のデザインに制約が生じたり、通風孔の掃除が必要になります。セキスイハイムでは、この点を考慮し、掃除しやすい設計や、インテリアに調和する通風孔のデザインを提案しています。また、初期費用と運転コストがかかる点も考慮が必要です。
セキスイハイムの「スマートパワーステーション」は、太陽光発電システム、蓄電池、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を組み合わせたエネルギー自給自足型住宅です。特に太陽光発電システムは、独自の「瓦一体型太陽光パネル」を採用し、美観を損なわずに高い発電効率を実現しています。
また、AI技術を活用した「スマートHEMS」により、家庭内のエネルギー使用を最適化し、さらなる省エネを実現しています。実証データによると、一般的な住宅と比較して年間の光熱費を最大約80%削減できるとされています。
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