一般的な住宅の建築現場では、雨が悪影響を及ぼす作業を無理に進めることはありません。しかしこれは通常の場合です。例えば工期がきびしい、引き渡しが迫っているなどの理由で、作業を強引に進めているような場合も現実的にあります。
雨で悪影響が出る作業は行わない
↑
【理想】
工期が厳しいと強引に行う!!
↑
【現実】
もちろん、工法や構造、現場の進捗状況によって住宅に与える影響は大きく変わります。以下でご説明します。その前に、まずは各工程の雨対策を見ていきましょう。
●基礎鉄筋配筋時
泥はねや、靴底からの泥付着が予測されます。これらは鉄筋とコンクリートが一体化するための定着を妨げるので、ワイヤブラシ等で除去を必要とします。錆は、鉄筋表面の浮き錆程度であれば、問題ありません。
●基礎コンクリート打設時
コンクリートは、セメントが水と「水和反応」して硬化します。そのために水とセメントの比率は設計図や仕様書にて決められたとおりでないといけません。打設時に雨が降ると、少なからずコンクリート中に水が含まれることになるため、非常に好ましくありません。ただし、住宅程度であれば、全体の打設時間、部分部分の振動による送り込みで水分が混入するのはわずかと言えるでしょう。少量の雨であれば、問題は少ないでしょう。もちろん晴れているほうが望ましいです。
●コンクリート養生時
コンクリート打設直後の雨は、雨粒が露出面を叩いてデコボコになってしまいます。翌日以降の降雨は、湿潤養生を天候によって行えるため、「恵みの雨」と解釈できます。
●ベタ基礎工事後
ベタ基礎はコンクリート製の箱状なので、降雨時にはプールになってしまうことがあります。それを防ぐためには、底版の各仕切りごとに水抜き孔を設けるか、立上り部に水抜きパイプを入れておく必要があります。これらの措置がなされていないと、雨が降るたびに、水中ポンプで水を掻き出すことになります。
●ツーバイフォーの躯体工事時
パネル化した床、壁を組み立てていくので、施工途中に雨が降れば、これもまた雨が溜まってしまいます。そのため、ここでも水抜き用の開口部を設ける必要があります。躯体工事中の雨は、構造材を濡らすことになるので、晴れのほうが望ましいです。乾かしてもカビや腐食の心配を100%払拭することは不可能でしょう。
●木造軸組構法の躯体工事時
集成材の化粧材は、雨に濡れないよう養生が必要です。ムクの化粧材は多少濡れても大きな問題ありませんが、しみなどがつく心配があるので、濡れないような養生するべきです。そのほかの構造材は乾燥状態にもよります。気乾状態であれば降雨程度は問題ないといえるでしょう。未乾燥材でも、もともとの含有水分と雨に濡れたような一時的な水分とは乾き方が違い、雨に濡れた水分は、数日で乾いてしまうようです。ただし、未乾燥材はカビなどが発生しやすく、養生をめくったらカビだらけだったということもあるので気をつけましょう。これもツーバイフォーと同じように、晴れのほうが望ましいです。さらに同じように、乾かしてもカビや腐食の可能性は残ります。
●屋根葺き時、外壁防水紙施工時
雨漏りの点検をするにはもってこいの雨です。漏水個所をこの時にチェックしておけば、対策を講じることができます。
●断熱材施工時
吸水性のあるグラスウールやロックウールなどの断熱材の場合、濡れてしまったものは、柱・梁・土台などの構造材、間柱等の二次部材を腐らせる致命的な原因にもなります。よって必ず取り替えの必要があります。これに関しては厳しいチェックが必要と言えるでしょう。施主のあなたが積極的にチェックすべきです。断熱材が濡れたままでは、後々大きな問題となります。ほぼ100%カビや腐食の発生源となります。
建方工事・棟上工事(住宅の骨組みの組み立て)では、構造や工法によってやりづらい季節があります。特に一般的な木造では梅雨の時期の雨が大敵です。工期は必然敵に遅れますし、材料も濡れてしまいます。現在の日本の木造住宅では、乾燥剤の使用率が極めて低く、大半が未表示材と呼ばれるものを使っています。未表示材の含水率には20~250%と大変幅があり、含水率20%程度の材ならば多少の雨は問題ありませんが、100%程度だとと黒カビや赤カビなどが発生する可能性が大いにあります。できることなら、シートで養生するか、含水率が表示された材を使うようにしたいものです。しかし、一般的な木造軸組みの建方では、多くのケースで雨に濡れている現実があります。その意味でも、梅雨時期は避ける。あるいは、濡れても乾きやすい夏場を選択するなどの工夫が必要です。
基本的には屋根がつくまでは、躯体を雨にさらしてはいけません。カビや腐食の原因となり、健康被害の誘発や住宅の寿命にも大きな影響を与えます。しかし、現実には多くの住宅建設では、雨に濡れている現実があります。
これは仕方のないことなのでしょうか?
いえ、そうではないのです。
雨に濡れない工法があるのです。
それが、ユニット工法です。
セキスイハイムHPより
★ユニット工法のハウスメーカー
メーカー名 | 商品名 |
セキスイハイム | 「パルフェ」「ドマーニ」「グランツーユーV」 |
トヨタホーム | 「シンセ」シリーズ |
ミサワホーム | 「ハイブリッド」シリーズ |
ユニット工法とは住宅を工場で製造し、現場で組み立てる建築方法の一つです。住宅メーカーや工務店が工場で建材を製造し、それを現場に運び組み立てる方法で、生産性の高いさや建築期間の短縮が特徴です。
ユニット工法は、建材を現場で組み立てる「現場施工」と、建材を工場で製造し、現場で組み立てる「工場生産・現場施工」の2つのタイプがあります。
現場施工は、建築現場で必要な建材を切り揃え、加工した上で組み立てる方法で、建材を運ぶ手間や作業時間がかかるため、コストや時間がかかります。で必要な建材を切り揃え、加工した上で現場に運び、組み立てる方法で、現場での作業が最小限で済むため、コストや時間の削減が図れます。ユニット工法は、主に木造住宅で用いられることが多く、建材としては木材を主に使用します。建材は、壁や床などのパネル状の部材を中心に製造されます。建材は、断熱材付いていたり、防音効果があったりといった、機能性にも優れています。
短い工期で建物が完成することができるため、住宅需要の要求に応じた建設が可能となります。ユニットを工場で製造するため、現場での建設資材の輸送や搬入作業を減らすことができ、環境負荷の低減につながります。また、ユニットごとに建材や内装材を取り入れるため、各ユニットの品質管理がしやすくなり、建物全体の品質も向上します。建築現場での作業が減るため、現場の騒音や振動を軽減することができ、周辺環境に配慮した建設ができる。ユニットのサイズが決まっているため、建築計画を立てる際に柔軟性がないと考えることがあるかもしれませんが、ユニットを組み合わせた構造にすることで、多様なプランを実現できる場合があります。ただし、ユニット工法には以下のようなこともあります。
ユニットのサイズによっては、現場に搬入することができない場合があるため、事前に搬入可能な道幅や建物の出入口などを確認する必要がある。ユニットの組み合わせによっては、柱や梁が不必要に多くなり、建物の構造計算に問題が生じる場合がある。ユニットの製造に特化した工場が必要であるため、初期投資が必要となる。現場での加工ができないため、ユニットの調整や修正をすることができない場合がある。
以上が、ユニット工法特徴やメリット・デメリットについての説明です。建築においては、ユニット工法を含め、様々な工法がありますので、建物の用途や地域の気候条件、予算などに応じて適切な工法を選択する必要があります。
生産性の向上
工場で建材を製造するため、同じ品質の建材を順番にすることができます。そのため、生産性が向上し、コスト削減にもつながります。
短い工期で建築が可能
ユニット工法では、建物のユニット工場を生産し、現場で組み立てるため、建築現場での工期を短縮できます。工場で生産されたユニットは、品質が一定であるため、建物の品質を確保することができます。
建築コストを削減
ユニット工法では、工場で生産されたユニットを現場で組み立てるため、工事現場での作業時間を短縮できます。また、建物の品質を一定に保つことができるため、建築物の耐久性性が高く、メンテナンス費用が削減できます。
断熱性能
工ユニット法では、ユニットに断熱材を高いことができます。そのため、断熱性能が高く、快適な住宅環境を提供することができます。また、高い断熱性能は、省エネルギー効果にもつながりますます。
耐震性能が高い
ユニット工法では、ユニットを鉄骨や鉄筋で補強することができます。そのため、耐震性能が高く、地震に強い建物を作ることができます。
建築中の騒音・振動が少ない
ユニット工法では、工場で生産されたユニットを現場で組み立てるため、建築中の騒音や振動が少なく、近隣住民の迷惑を軽減できます。
環境に優しい
工法では、工場で生産されたユニットを現場で組み立てるため、建築現場での廃棄物が少なくなります。また、ユニットには断熱材が入っているため、省エネルギーにつながります。
防音性が低い
ユニット工法は、壁に断熱材を入れるため、断熱性が高いという前提、防音性が低い場合があります。十分な防音対策が必要です。
現場での調整が必要
ユニット工法は、で工場生産されたユニットを現場で組み合わせて建物を作るため、建物の形状や設備などが決まっている場合には、その形状に合わせたユニットを工場で生産そのため、現場での調整が必要な場合があり、現場の作業員の技術や経験が求められることもあります。
メンテナンスが困難
ユニット工法は、建物を作るための材料を一定のサイズに統一することが前提となっているため、建物の中に細かい部品やパーツが多数使用される場合には、メンテナンスが困難となる場合があります。また、壁や天井の一部を接合する必要がある場合には、大注目な修繕作業が必要となる場合があります。
以上が、住宅の「ユニット工法」の決定です。建物の強度や防音性、メンテナンス性などについては、設計や施工の工夫によって改善することが可能です。のニーズに合った住宅工法を選ぶことが大切です。
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