L 「フラット35」の特徴 【金利上昇で今後は減る?】

「フラット35」の特徴を理解しよう!!

 

「フラット35」の特徴

母体は国、窓口は金融機関

フラット35とは、独立行政法人である住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と民間の金融機関が提供している住宅ローンのことです。その名のとおり、借り入れ後の金利が変わらず(フラット)、最長50年という長期間でローンを組めるのが最大の特徴です。国民の住宅取得を支援するために創設されたローンともいえ、万一フラット35を貸し出し金融機関が倒産しても、当初の契約条件が完済まで守られるという安全性も利点です。

 

新築住宅以外にも、中古住宅、リフォーム、借り換え用など用途別にフラット35があります。多くの金融機関で扱っていますが、金利や手数料は金融機関ごとに少しずつ異なります。

 

ちなみに、フラット35の現在(2022年7月)の最低基準金利1.38%は、過去最低に近い水準です。いま最もお得な住宅ローンの一つと言えるでしょう。

 

「人」よりも、「建物」の審査の方が厳しい

フラット35は、借り手に厳しい審査基準を設けている民間の住宅ローンとは異なり、ある意味では‶開かれた”住宅ローンと言えます。年収400万円未満の人でも、すべての借入れの年間合計返済額の割合を年収の30%以下に抑え、手持ちの資金を10%以上用意するなどの対策をとれば十分審査の対象になります。

 

その一方で、良質な住宅を追及させたいという意図から借入れ対象の建物にはいろいろと「注文」が付けられます。たとえば、戸健住宅なら延床面積が70m²以上あることが融資の条件です。また、耐久性や耐震性などに独自の技術基準があり、建設途中・竣工後に検査が行われ、基準をクリアすることが確認できたのちに融資がおりる仕組みです。そのため注文住宅では、建設開始時や建設途中に施工会社に支払う「着工金」や「中間金」などは、別途「つなぎ融資」を利用するのが一般的です。

 

契約時の金利が変わらない住宅ローン

民間の金融機関が実行した住宅ローンの債権を住宅金融支援機構が買い取り、その債権を担保として証券(住宅金融支援機構債権)を発行するという仕組みにより、市場金利がどんなに変動してもフラット35の金利は影響を受けません。

 

フラット35で住宅ローンを組むと「つなぎ融資」が必要になる場合もある

つなぎ融資とは、金融機関から融資金が下がるまでの数カ月間、一時的に借りるローンのことです。自分の預貯金だけでは施工会社に工事代金を支払いきれない場合は、つなぎ融資を使ってひとまずその代金を支払います。通常の住宅ローンより金利が高く、つなぎ融資のためだけの諸費用もかかるので、計画の際はつなぎ融資分の費用も計算に入れておく必要があります。

 

 

「フラット35」の疑問?

つなぎ融資はどこへ申し込む?

金融機関により金利や手数料、団体信用生命保険の有無などがかなり違うので留意しましょう。金融機関に用意がなければアプラスのブリッジローンが使えますが、施工会社の審査があるので、事前に確認しておきましょう。

 

私にはいくら貸してもらえる?

 

特に根拠がない「年収の5倍まで」

 

金融機関は、私にいくらまで貸してくれるのか… 住宅ローンの借入れを検討し始めた人にとっては、とても気になる疑問でしょう。しかし、この疑問は非常に「危険」な疑問と言えます。

 

「年収の5倍まで」「返済負担率が年収の25%までなら」という"基準”をよく耳にしますが、これはあまり当てになりません。この基準をクリアしていても、借入可能額の上限まで借りられないことはありますし、たとえ借りれられたとしても、返済が苦しくなるリスクと無縁でいられるわけではありません。

 

貸してもらえるリミットまで借りるのは危険

住宅ローンの借入可能額は、現在年収からおおよその見当がつけられます。金融機関のウェブサイトにある「住宅ローンシュミレーター」を利用すれば毎月の返済額、返済期間、金利などの条件から、あなたの借入可能額を予測することができます。ただし、この借入可能額は、あくまで「銀行が貸しても良いと判断した上限の金額」です。あなたの家計にとってベストの金額というわけではありません。子供がいる家庭は、彼らが高校請や大学生になると多額の教育費が必要になります。早いうちから教育費をコツコツ積み立てて、住宅ローンの返済に影響が出ないようにすることも、借入額を決めるうえでの重要な判断材料となります。

 

「いくら貸してもらえる?」という疑問は、「いくらまでなら借りて大丈夫?」という疑問に変換しなければなりません。借入額の適否については、月々の住宅ローン返済後の家計に、毎月の収入(額面)の5~10%くらいゆとりが出れば、その借入額は適正といえます。(あくまで概算です)それ以下のゆとりしかでなければおそらく借りすぎないといえるでしょう。

 

「借入れできるお金」と「返済できるお金」を混同してはいけない

金融機関に「いくらまで貸してもらますか?」と聞いてはいけません。金融機関は「お金をたくさん貸したい」という立場なので、尋ねられれば返済負担率に基づく最大の金額「借入可能額」を答える傾向にあります。

 

金融機関の「貸していい額」をそのまま借りるとレッドゾーンに足を踏み入れるかも?

借入可能額を簡単に算出できる「住宅ローンシミュレーター」とても便利です。ただし、シミュレーターを使うときは、月々無理なく返済できるきんがくを「毎月返済額」の欄に入れて試算を行いましょう。そして、年収から算出される借入可能額との差を確認してみなければなりません。

※バカでもわかる!!「住宅ローン」

 

 

 

返済期間は35年が普通?

 

「定年までに完済」には、とらわれなくてよい!!

 

住宅ローンの返済期間を検討するとき、まず頭に思い浮かぶのは、現在の年齢から定年退職まで残りあと何年あるかということでしょう。65歳を定年とすると、35歳の人ならあと30年、40歳の人ならあと25年。多くの人が、「収入のある退職時までに返済を終えなければ」と強迫観念にとらわれしまいます。しかし実際には、住宅ローンの返済期間に、「〇年が一般的」という"常識"も、定年までに返済すべしというルールもありません。あなたの家の家計に適した返し方をすればよいだけです。定年までの残り年数で完済しようとすれば、毎月の返済額が高くなります。当然、家計への負担は増えます。住宅ローン商品の融資条件にある「完済とき年齢」を調べてみると、借入れ時の年齢は「65歳まで」としているものもありますが、完済するまでの期間は79~81歳くらいまでのが多いはずです。だからといって、返済期間を上限いっぱいまで引き延ばす必要はありませんが、少なくとも、定年時年齢にこだわり必要はないことがわかります。大切なのは、毎月の返済額が無理のない金額になうように、返済期間を設定することです。

 

借金ゼロと預金ゼロ、どちらが安心か?

それでも、「定年退職以降も住宅ローンを返済し続けるのはなんだか不安」という人がいるかもしれません。では、65歳の退職時点であと1200万円返済しなければならないが、その分、預金も1200万円ある人と、返済はすべて終わているが預金が1円もない人では、どちらがよいでしょうか。預金がなければ現金が急に必要になった場合、新たに借金をしなければなりません。大切なのは、借入金と預金のバランスを取るという考え方です。適正な返済期間は、暮らしのあり方全体を見据えた上で決めなければならないのです。

 

返済期間は自分の都合で決める

返済期間は「老後の安定」を考えて

 

「定年までの完済」を目標にすると、老後の生活資金に不安が生じがちに。ある程度の貯蓄額を確保するためには返済期間を延ばすのも一策です。手元に現金があれば資産運用も可能になります。


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