【PR】
実は「高気密高断熱」住宅は、
問題だらけです!!
メリットばかりが前面に謳われる「高気密高断熱」住宅ですが、デメリットが一切ないわけではありません。「高気密高断熱」は、まだ比較的新しい技術であるため、業者の施工レベルにもその性能が大きく左右される現実があります。
理論上の数値も大切なのですが、施工する職人の技量にその性能が大きく左右されるです!!
【PR】 タウンライフ
高気密高断熱住宅は、外部からの騒音に対しては高い防音性をもっていますが、家の中で発生する音が、外に逃げずに家の中で反響するという現象が起こります。これは太鼓現象ともいわれます。れは高い気密性ゆえのことなので痛し瘁しなのです。
もうひとつの問題は室内の乾燥です。高気密高断熱住宅では、全室暖房しながら、常に一定の新鮮空気を外部から取り込んでいます。冬場の外気は温度が非常に低く湿度もあまりありませんが、仮に温度0℃湿度80%の空気を20℃に暖めると、湿度は20%程度まで下がります。これまでの家でも同じことが起こっていたのですが、開放型のストーブから水蒸気を発生させていたり、非暖房室では温度が低いので湿度もそんなに下からないでいたのです。もっとも、これがカビや腐食の原因となる壁内結露を誘発する最も大きな原因になっています。
その結露を防ぐためには換気が絶対的に必要ですが、全室暖房では換気をすればするほど、必然的に過剰な乾燥となります。換気は空気汚染を防ぐための適量に抑えて、必要に応じて適度に加湿することが必要なのです。居住環境としての湿度は35~45%程度が適当であるといわれています。加湿は加湿器でも行ってもいいのですが、観葉植物や水槽を置いたり、部屋に洗濯物をほしたりということでも可能です。結露はカビの発生や、木材の腐食を誘発します。健康被害はもちろんの事、住宅の寿命にも大きな影響を与えます。
住宅にとって「結露」は大敵ですが、結露はなぜ起こるのでしょうか?
それには空気のもつ特性が大きく関わっているのです。たとえば、冷凍庫で冷やしたグラスを暖かい部屋に出すと、しばらくするとグラスの表面にたくさんの水滴が発生します。これは、グラス表面の温度が室温より低く、その周辺の空気が冷やされることで、空気中に含まれた水分がグラスの表面に水滴となって現れるものです。この現象を「表面結露」といい、基本的に住宅で発生する結露も同じ仕組みで発生します。結露は、室内の湿気を容易に蓄えるため、壁や天井まで拡散します。
結露は室内の場合、空気の流れの悪い押入や、浴室やキッチンなど湿気が多い場所で発生し、その後発生した水分を栄養としてカビが発生するケースがあります。カビが発生するのは、このようにほとんどの場合結露が原因であり、場合によっては構造体となる重要な柱を腐らせ、注文住宅の寿命を著しく縮めてしまいます。ですから、住宅における結露、そしてカビの発生予防はとても大切で、重要ことなのです。
この結露を防ぐためには、材料、防水材、換気、加湿、加熱などの技術が必要です。を行い、結露の問題を最小限に抑えることができます。さらに、新築やリフォームする際には、専門家の意見や提言を受け、適切な施工方法を決定することが大切です。結露問題が発生した場合には、すぐに修正を行うことが重要です。適切な修正を行わないと、破損や腐敗などの被害が広がる可能性があります。
また、土台部分の結露を予防するためには、住宅の床下にも換気が必要となります。「床下換気口」や「基礎パッキン法」は、このように床下の換気を促進するものなのです。近年では室内の結露と同様に構造体内部の結露を防ぐ目的で、「外壁通気工法」という方法も多く利用されています。これは外壁側の構造体と外壁材の間に空気が流れる「空気層」を作り、構造体内の湿気を外に放出して結露を防ぐというものです。住宅設計では、このように常に空気が循環する仕組みを巧みに作っておくことで、結露は十分に防げるのです。「カビくさいな」と思ったら、まずは結露の発生を疑いましょう。
湿度が高ければ、結露もできやすいのですが、実際に結露が発生しているか、簡単に確認することもできます。
まずは玄関をチェックしましょう。玄関は、温度差のある外気と室内空気が接触する場所なので、家のなかで結露が起きやすい場所のひとつです。玄関扉や玄関扉の枠を触ってみてください。少しでも湿り気を感じたら、結露が発生しやすい家だと考えてよいでしょう。
もう1力所チェックするならそれは、日当たりが悪く、結露ができやすい北側の窓です。
湿気は下にたまりやすいので、戸建ての場合は、2階よりも1階が要チェックなのです。こちらも窓やサッシを触って確認してみましょう。また、その際、北側の壁の下も目で見て、実際に触ってチェックしてください。ちょっとでも壁紙がはがれたり、よれたりしていたらアウトです。さらに触ってみたとき、カラッと乾いた状態ではなく、少しでも湿り気を感じたら危険信号です。
とくに押し入れやクローゼットのなか、脱衣所や浴室、トイレなど、扉を開けたときいやなにおいがしないか、かび臭くないかを確認してみましょう。自分の家の状態を確認するとき、または引っ越しや住み替えで家を選ぶときには、以上のような方法でぜひ、結露チェックをおこなってみてください。
断熱とはある素材を使って家の内側と外側の熱の移動をなるべく少なくし、エネルギーの消費を抑えながら室内の温度を快適に保つための建築技術です。この断熱という技術は、その工事方法や断熱材を入れる場所を間違えたひすると、大きな被害が生じます。
たとえば、断熱材は隙間ができないように張るのが正しく、どこにでも安易に張ってあればいいというものではありません。断熱工事を適正にしなければ、単に効果が出ないばかりでなく、断熱施工の不備な部分に結露を発生させて構造上の耐久性能をいちじるしく悪化させることとなります。結果的に住む人の健康にも家にも被害をもたらしてしまうのです。不適切な工事によって水蒸気の拡散ができないと(露点以下となる空間が生じると)、水蒸気が結露水となって断熱材を濡らしてしまいます。その結果、構造を支える軸組や下地まで濡らし、木材やコンクリートや鉄筋などを腐らせたりさびさせたりします。これでは住宅を長命化できません。住む人にも健康被害をもたらすことになるでしょう。
断熱工事の基本場所は、基礎、床、窓、ドア、天井、屋根裏、そして家全体を覆っている壁です。これらを隙間ができないように断熱材ですっぽりと覆うことがポイントとなります。すっぽり覆う、という点で優れているのが「外張り断熱」という工法です。外張り断熱とは、建築物の外側から全体を覆う方法で、断熱材の切れ目が生じないメリットがあります。住宅先進国ではこの方法を採用している場合が多く、日本でもこれを売りにする住宅会社が近年増えてきました。ただし外張り断熱は、通気層を確保し(ただしECOボードは通気層をつくりません)、全館冷暖房と換気計画をセットで行なわないといけません。
折り込み広告やパンフレットで「高気密高断熱」と大きく宣伝されていても、その実態は様々で中には非常に怪しい物もあります。公庫融資を受ける際には、必ず守らなければならない「基本仕様」と、さらに厳しい規定を設けた「省エネルギー仕様」、もっと高い断熱性能を有する「次世代省エネルギー仕様」の3つのランクがあります。
チラシでよく見る「高気密高断熱」などの記載も、よく調べてみると、じつはこの「公庫・省エネルギー仕様」で規定されている断熱性能を、ほんの少しだけ上回った住宅であることがとても多いのです。特に零細の工務店の住宅に多いようです。中にはペアガラスを付けただけで、あたかも「高断熱」であるかのような記載をした事例もありますが、「高気密高断熱」をうたっている住宅ならば、その断熱性能・気密性能をきちんと確認する必要があるのです。
断熱性能は建築基準法には一切規定がなく、極端にいえば住宅に断熱材を入れなくても違法ではないのです。しかし、断熱性能が高いほど省エネ効果も高く、光熱費も少なくて済みます。なにより快適性をもとめる現代では、断熱材の施工は必須といえるでしょう。この断熱材は住宅の完成後には入れることが出来ないので、建売住宅はもちろん、ある程度仕様が決まっている建築条件付きの住宅でも、必ず「断熱材の有無」と「厚み」「種類」「施工場所」をチェックする必要があります。
最近では、ハウスメーカーの注文住宅に比べ、安価で粗末と言われる建売住宅でも、ペアガラスやLow-Eガラス、木製玄関ドア、あるいは断熱サッシ、樹脂サッシといった、断熱性能の高い建具を採用するケースが多くなっています。もはや「ぺアガラスは当たり前」といった風潮すらあるくらいです。事実、(財)住宅建築・省エネルギー機構の調べでは、冬で48%、夏ではさらに71%もの熱が、窓やドアなどの開口部から失われていると発表しています。
熱がどの程度逃げてしまうかということを数値化した規格に「熱貫流率・K値」というものがあります。K値は基本的に数値が高ければ高い程、熱が逃げてしまうということで、断熱性が低いということになります。「公庫・省エネルギー仕様の断熱性能を持つ住宅」の場合、外壁面のK値は1.3程度で、一般サッシのK値はその約6倍の6.9程度、一般サッシにペアガラスを入れてやっと4.2、断熱サッシといわれるもので初めてK値が3.6~2.6程度にしかなりません。つまり、外壁面の断熱性能に比べれば、断熱サッシを採用しても外壁の1/2から1/3程度の断熱性能しかないということになります。
つまり、本当に快適な室内空間を確保するには、単に窓やガラスの断熱性能だけで判断すのではなく、開口部トータルの断熱化を考えることが重要なのです。たとえば太陽の直射日光を遮るための庇を設けたり、室内外からの温度を遮る力-テンやブラインドを設ける、和室であれば内障子を設けるのも大きな効果を発揮します。また、雨戸やシャッターも防犯目的だけではなく、断熱の面でも有効といえるでしょう。
重要な断熱場所は、開口部としての「窓」と「ドア」です。窓からは約70%の熱が逃げるといわれています。玄関ドアは断熱玄関ドアを採用すればいいのですが、難しいのは窓です。窓は太陽熱や光を取り込んだり、新鮮な空気を家の中に入れたりする一方で、外の騒音をさえぎったり、雨風をしのぐといった役割もあります。
断熱のためにはペアガラスのほうがいいことは間違いありません。ペアガラスは2枚のガラス板で構成されていて、その間に6〜12ミリの空気層があります。室内側にあるガラス板は光の透過度を下げるだけでなく、室内の熱損失を大幅に減少させてくれます。ペアガラスは、より断熱性に優れ、暖房エネルギーを節約するように進化していて、通常のサッシよりも性能は高く評価されています。
ガラス素材そのものでは、「Low-E」があります。これは表面に極薄の特殊金属層を蒸着メッキによってほどこしたもので、熱放射に対するガラスの透過度をいちじるしぐ減少させながら、光の透過度は制限されることはありません。つまり熱は通さずに光を通すガラス、それがLOWIEガラスなのです。このように窓の断熱性能は最近とくによくなってきていますが、問題は窓を閉めたときの気密です。自然採光と換気を可能にさせ、室内と外界の視覚的なつながりを生み出す窓の接合部からは、風、寒気、騒音が侵入しやすいのです。窓の気密性が低いと家全体の断熱性能が極端に落ちてしまいます。
気密には、ガラスだけではなく、窓枠も大きく影響してきます。木やプラスチックの枠の断熱性能はガラスとほぼ同じですが、アルミ枠の断熱性能はたとえ断熱層が組み込まれていても明らかに低いのです。窓の断熱性能はガラスと枠の組み合わせで決まります。どのよ弓な窓枠が使われているか、あるいは窓枠との接合部分にゴムパッキンなどをほどこして気密性を高めているか、といったこともチェックしなくてはいけません。窓の断熱性能が高く地球環境にとっても良好なのは木製窓です。
「高気密高断熱」は、理論も工法もまだまだ歴史が浅く、課題も少なくないのが実状です。ですから、大手ハウスメーカーのみならず、断熱材などの建材メーカーも日々技術開発に取り組み、新しい工法やシステムを生み出しています。また、他社との差別化を図るために、ブランド名付きのオリジナル工法が乱立し、現在、「高気密高断熱」の工法は約150もあるといわれています。その中には怪しげなものも紛れて存在しています。さらに、他社工法を否定しながらの営業合戦が繰り広げられ、ユーザーにとっては非常に分かりにくく、混乱を招く事態になっています。
いずれにしても、画一的に制限された工法は、その工法特有の都合で住宅のデザインが決められたり、ライフスタイルに制約があったりします。換気は熱交換にするべきか、床暖房は必要なのか、内断熱と外断熱とどちらがよいのかなど、すべては局所的な検討項目でしかありません。自身のライフスタイルを含めて、どんな家に住みたいかが先にあって、その目標を実現させるために最も適切なものを選択していくプロセスが必要なのです。
高断熱・高気密を選択するのなら、
●その土地の気候や生活スタイルを含めた、全体的な断熱設計ができる設計者やハウスメーカーを求める。
●気密施工の意味を理解してしつかり施工でき、さらに、高気密高断熱を生かす生活の仕方とメンテナンスの方法を教えてくれる業者を選ぶ。
以上の2点が「高気密高断熱」を選ぶ大きなポイントです。
365日、24時間連続運転による計画換気が必要な「高気密高断熱」住宅は、まだまだ新しい技術であるため、住宅の建設にさまざまな影響を与えています。建物全体の安定した温度や湿度を維持していくために、部屋割りを小割りにせず、なるべくオープンな間取りにする必要があったり、湿度の高い時期はエアコンや除湿器で除湿をする必要があったりします。また、確実に工事施工できるかという問題も生じているのです。
一般的な高気密・高断熱工法は、壁の内部や床下にビニールを張って家の気密性を高め、外部と空気を通わせないようにすることで熱損失を抑え、断熱性を高めるというものです。
ところが、実際に暮らしてみると夏は暑く、冬は底冷えし、各部屋でエアコンが欠かせ無くなるのです。夏は冷房と除湿、冬は暖房と加湿がフル稼働ですから、不快であるだけでなく、光熱費も莫大な家になるでしょう。なぜ国が認めた・工法なのに、このような結果になるのでしょうか。
人間が暑い、寒いと感じる体感温度は、湿度と関係があるにもかかわらず、国が認めた高気密・高断熱工法には、湿度調整という視点が欠けているのです。ビニールで覆われた家は調湿しません。すなわち湿度を取り込んだり、逃したりという、呼吸をしないのです。
家が呼吸をしないと、溜まった水分はそのまま室内に浮遊するしかありません。これはサウナスーツを着ている時と同じような状態です。夏場に湿気が高くなると、じめじめとした空気が体の熱の蒸発を阻み、余計に暑さを感じるようになります。同じ気温でも、湿度が低ければ爽やかに感じるものです。同様に、冬は空気が乾燥しているために、熱が奪われやすく、余計に底冷えを感じるものです。冷静になって考えてみれば分かることですが、国やメーカーが推奨しているから間違いないとの思い込んでいる人が多いのです。
余談ですが、最近では、「外壁通気工法」を、国が推奨していることから、この工法にするのが当たり前になっています。しかし、この工法にも、多くの問題があるのです。外壁通気工法は、窯業系サイディングの熱を内部に伝えないようにするために、外壁と内壁の間に一定の通気層を設けるというものです。
壁伝いに熱が直接伝わらないため、熱伝導が止まるというメリットがある半面、通気層で空気の対流熱が起こり、完璧な断熱にはならないという欠点があります。また、通気層を設けることで躯体と重量の重いサイディングとの連結面が少なくなることから地震にも弱くなります。他にも通気囗からコウモリやネズミなどが侵入し、通気層に巣を作るという問題も起きています。熱を伝えないために設けた空問が、完璧な効果をもたらさないばかりか、新たな問題を作ってしまうのです。
こうした多くの欠点を考えると、空気層を作るよりも、外壁が熱を持たない材質を使用することが大事かと思います。例えば、ログハウスエ法の丸太や在来工法の土壁、漆喰等は、熱を持ちにくい素材であることから、外壁通気は必要としません。このように外壁が熱を持たない工法や素材を使うことで前述した問題は解決できるのです。
住んでみるとわかるのですが、グラスウールの断熱材は、ほぼ断熱の役割をしないと言っていいほど、断熱効果が感じられないのです。
とにかく、夏暑く、冬寒いのです。
夏は、24時間冷房をフル回転しても涼しさを感じることができません。また、夜中も暑さとの戦いとなります。寝苦しく何度も目を覚ますでしょう。冬は、エアコンの暖房を最強にしながらも、こたつに入り、ファンヒーターをかけるという有様でしょう。そればかりか、部屋の中でジャンパーを着込むこともあるでしょう。朝は吐く息は白く、寒さで布団からなかなか出られないという状況となるでしょう。まさに、家の中も外と同じようなものです。こんな生活状態ですから、夏と冬の電気代は、春や秋の2~3倍にもなるでしょう。
こうした断熱の悪い家は、他にもさまざまな問題を引き起こすものです。壁を剥がしてみると壁内が結露しいたり、木材は腐ってカビだらけの状態で、健康的にも問題のある家になるでしょう。なぜ壁内に結露が生じたのかというと、外壁の窯業系サイディングは、夏に太陽光が当たると、表面が60℃ほどの高温になります。逆に冬は、外気が低いことから低温になります。
また、コンクリート製品であることから、その熱を壁内へと伝導します。家の中は、冷房、暖房で温度を調整していることから、グラスウールのように断熱効果に欠ける材質を使用すれば、双方の熱が通過してしまい、温度差のある外気と内気が触れ合い、夏は断熱材の内側、冬は外側で結露するのです。
なぜ夏と冬で結露する場所が異なるかというと、空気は温度の高いほうが湿気を蓄えやすいからです。つまり、冷房をかけた夏は内側の温度が低く、冬は暖房のため内側の温度が高いことから、温度の低い側に結露が生じるのです。
しかし、たとえ外気と内気に温度差があっても、土壁のように調湿効果がある材質ならば湿気を吸いこみ、その吸い込んだ湿気は水蒸気として放出することから壁内に水分は残りにくくなりますが、グラスウールは原料がガラスのため、湿気を吸いません。グラスのまわりに水滴が付くように、壁内に留まった湿気はグラスウールにくっついて壁内結露となるのです。
結露は、柱や梁など建物本体まで腐らせ、家の寿命を縮めることになります。また、結露はカビやダニの発生の大きな要因でもあり、人体にも悪影響を及ぼす空間にもなるのです。グラスウールにいくつかの種類があります。
例えば、羊毛(ウール)を使った断熱材もありますが、こちらもグラスウール同様にコンセント周りに隙間ができやすいことから施工性が悪く、動物アレルギーの方は、蕁麻疹などを発症する場合があるので注意が必要です。また、石を綿状にしたロックウールは、原料は石でも構造が多孔質(多数の微細な穴のある構造)になっていないため、調湿効果は期待できません。しかも、羊毛と同様の理由から施工に難点を生じやすい材質です。そうした隙間がなく断熱性能も高いものとして、発泡系のウレタンが最近では注目を浴びていますが、調湿性がないことと燃焼しやすいという欠点があり、床より上部の使用には向きません。
一部の良心的な工務店では、基礎断熱に断熱材として発泡系のウレタンを使っていますが、調湿を必要としない床から下の基礎コンクリートのみに使用しています。床から上の断熱材として使用しているのは、セルロースファイバーという新聞紙を粉砕した調湿効果の高い資材です。
当然ですが、暑い夏は涼しく、寒い冬は暖かい快適な家で暮らしたいというのは、万人の願いです。それを実現するために、大きな効果を上げるのが壁の中や床下、天井などに施工される断熱材なのです。
生活の快適さを求め、暑さや寒さから自由になるために断熱材の質や量、あるいはその工法にこだわる方が最近は非常に増えています。さらには、現在は省エネが叫ばれていることもあって、外貼り断熱、外断熱、充填断熱など、さまざまな断熱工法が注目されています。
もちろんですが、断熱材の種類や施工方法によって、家の断熱性能は大きく変化します。ところが断熱だけにこだわりすぎても、より本質的な家の資産価値を落としかねないケースがあるのです。実は断熱材の使い方次第では、かえって大切な家の寿命を縮めてしまうこともあるのです。それを防いで、快適かつ資産価値の高い家を実現するためには、「断熱」「気密」「換気」の3つがバランスよく整っていることがとても重要なのです。
現在のものとは素材や性能が違うとはいえ、過去にに建てられた30年しかもたない家にも断熱材は使われています。短いガラス繊維でできた、綿状の素材であるグラスウールなどが断熱材として利用されるのが一般的だったのですが、これによってある程度の断熱効果を得られたことと引き換えに、家の内壁と外壁の問などに結露が生じることがとても多くなりました。この湿気は家の構造部に使われる木材の大敵です。壁や床はもちろん、柱や梁などさえ腐らせてしまうことになっています。これまでの家の寿命を短くしていた最大の原因は、じつはここにあったのです。
断熱性能を高めるために、壁のなかに断熱材を詰め込むだけでは、建物を腐らせてしまうリスクが高まります。快適さを実現することで家の資産価値を高めるはずが、逆にその寿命を縮めてしまうのです。それを避けるためには、断熱性と同時に気密性を高め、換気をうまくコントロールする工夫が不可欠なのです。
結露は家の内外の温度と湿度の差によって発生します。空気は暖かければ暖かいほど多量の水蒸気を含むことができます。つまり冬の屋内の暖かい空気は多くの水分を含んだ高湿度状態になっているのですが、これが断熱材のすき間を通して冷たい外気温に触れることで冷やされ、空気中の水蒸気がその場で水に戻って壁の内側などに付着する。これが壁内結露と呼ばれる現象なのです。それを防ぐためには、建物の気密性を高めて屋内と外気を確実に遮断すると同時に、家のなかの空気と外気とを定期的に入れ替える計画換気を行わなければなりません。結露は家にとって大敵なのです。
快適さと耐久性を兼ね備えた長く住める家をつくるためには、断熱性だけではなく、気密性と計画的な換気を組み合わせることが必要で、これらによって家の構造部である木材を腐らせないようにすることが重要なのです。
暑さや寒さを防いで快適な暮らしを実現するには、気密性と断熱性が不可欠だという説明は前にしてきました。さらに木造の家の耐久性を高めるために、換気性能が必要になるのですが、これを計画的にコントロールするにあたっては気密性、断熱性が高くなければなりません。
気密性のC値、断熱性のQ値には、一応、国が定めた基準数値があるとはいえ、世界基準からみれば、むしろ最低基準に近いボーダーライン上のものという解説もしました。それでは、何10年単位での家の資産価値を考えたときにクリアしたい、それぞれの具体的な数値はどの程度と考えればいいのでしょうか?
北から南までそれぞれの地域で気候の条件に大きな幅のある我が国では、統一した基準値を出すことは困難なのです。ただし、日本の人口の約6割が暮らしているⅣ地域を対象にして考えれば、C値は0.5前後以下、Q値は1.9未満を達成できれば、資産価値の点で将来的にも急速に低下するなどという事態は避けられるだろうと考えられます。いずれにせよ、出来上がった住宅の目にみえない部分、壁のなかの性能が実際の資産価値に大きく影響してくることは間違いありません。
南北に長い日本列島では、南の九州、沖縄と北の北海道とでは、気候に大きな違いがあります。気候の違いは家づくりにも影響を及ぼすのです。北海道や東北では寒さが非常に厳しいため、住宅には高断熱の性能が必要になりますが、九州、沖縄では断熱性はそれほど重要ではありません。
住宅金融支援機構では、全国を5つの地区に分け、各地区ごとに必要なレベルの断熱性能を定めていますが、多くの家は中断熱で十分といえるでしょう。また、定められた断熱性能を満たす断熱材の種類と厚さも示されています。断熱性能は断熱材だけでなく、サッシやドアなど開口部とも関わってくるのでチェックが必要です。
※記事内には「PR」の宣伝活動および、アフィリエイト広告が含まれております。