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注文住宅の構造・工法は非常に多くの種類が存在します。実はこれほど多くの様構造や工法があるのは日本だけなのです。現在の新築住宅の8割は木造住宅です。しかし、東日本大震災や昨今の熊本地震などの大規模地震の被害を目の当たりにし、住宅の耐震性や強度にとても大きな注目が集まっています。
鉄骨住宅の方が地震に強いなどと言われますが、どうなのでしょうか?
津波で流されなかったのは重量鉄骨だと言われますが、どうなのでしょうか?
実はツーバイフォー工法がの方が強いなんていう声もあります。昔からある木造在来軸組構造はどうなのでしょうか?
実際に一番地震に強い構造・工法とはどれなのでしょうか?
初めに結論を言ってしまうと・・・
耐震性については、
現在のどのような構造・工法でも問題はないと言っていいでしょう。
1981年(昭和56年)以降に建てられた建築物は、新耐震基準に沿った建物になっています。ですからどんな構造・工法でも
ように作られています。
※この新耐震基準の考え方では【大規模地震】に対して、あくまでも倒壊、崩壊しないことを目標としています。「人命確保」が大優先で、建物は損傷等で引続き安全に使用できない可能性があります。
■木構造
構造の主要な部分が木材で構成されている構造。軽量で組立て、加工が容易。
■鉄骨構造
構造の主要な部分が鉄骨で構成されている構造。鉄鋼材の柱と梁を工場で加工し、現場でボルトでつなぎ合わせる工法が主流。
一般的な住宅のほとんどこの木構造です。新築住宅の約8割が木構造となっています。住宅の主な構造材が木で作られる木構造ですが、大きく分けて「軸組工法」と、「2×4(ツーバイフォー)」の2つに分けることができます。木造新築住宅のうち軸組工法は約70%のシェアを占めています。2×4(ツーバイフォー)工法は約20%程度となっています。
軸組工法は在来工法とも呼ばれ、古くから採用されている工法です。木材で柱や梁などの主要な構造体を作り、筋交いや金物で補強をします。地震などの外力から耐える為にバッテンの形をした筋交いを入れます。これが軸組工法の特徴です。
各ハウスメーカーによっては、この筋交いに制震装置や免震装置を取り付けたり、柱や梁と筋交いの連結部分を特殊な金具で繋なぎ、強度・耐震性を上げています。日本で圧倒的に多く用いられている工法で、日本の風土や気候に非常に合っていると言われています。加工が容易な木材を使うことで、様々な形の外観や思い通りの間取りが実現可能です。設計の自由度では軸組工法が最も柔軟と言えるでしょう。また、将来のリフォーム時にも制約が少ないと言えます。近年は、プレカット技術などの急速な発達により、一昔前のように熟練した職人の手に頼る部分が少なくなったとはいえ、一定の技術が必要となります。木の材質としてのデメリット・弱点でもある「燃えやす」「腐りやすい」「シロアリがつきやすい」という点は、適正な処置とメンテナンスを施せば、ある程度は補えると言えます。
・古来から使われてきたので風土に合っている実績が多い
・設計自由度が高い
・将来リフォームが容易
・比較的 安価
・火災に弱い
・シロアリに弱い
・品質のバラつきが多い(大工の技術に大きく左右される)
・工期が長い
・耐震性・耐久性は劣る
●住友林業 ●積水ハウス ●一条工務店 ●タマホーム
●アエラホーム ●アイフルホーム ●アキュラホーム
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2×4(ツーバイフォー)工法は北米発祥の木造工法で、枠組み壁工法とも呼ばれています。名前の由来は2インチ×4インチというサイズに規格化された木材を利用して建てることからきています。他にも2×6(ツーバイシックス)と呼ばれる2インチ×6インチの木材を利用する工法もあります。2×4(ツーバイフォー)よりも、耐震性や断熱性が高いので最近はこちらが主流となっています。軸組工法(在来工法)は柱と梁の接点で住宅を支えますが、ツーバイフォーは壁で支える面構造です。在来工法の筋交い部分が壁状(面状)になっています。
工法がシステム化されていて非常に合理的です。ですから現場での工期も軸組工法に比べて短くなっています。パネル構造なので断熱性が非常に高いが、その分結露も起こりやすいのがデメリット・難点です。窓の大きさや開口部の大きさなどかなり制約されるので、設計の自由度は軸組工法に比べると、かなり低いと言えるでしょう。さらに施工工程にも若干の欠点があります。屋根を一番最後に乗せるため、完璧な雨養生が必要となり、施工管理の手腕が問われます。
・気密性が高い
・断熱性が高い
・工期が短い
・工法なので地震時の揺れが小さい
間取りの自由度が低い
リフォームしにくい
窓の大きさや開口部が制限される
結露が起こりやすい
●三井ホーム ●セキスイハイム ●セルコホーム
●三菱地所ホーム
鉄の原材料は鉄鉱石で、鉄をつくる過程で中に含まれる炭素の含有量の少ない順に、軟鉄、鋼鉄、鋳鉄に分けられます。建築材料として使うのは、ほとんどが鋼鉄です。鋼鉄は引っ張りに強く、薄くても重さに耐える力が強いのが特徴。ただし錆びやすく、燃えないけれど高熱になると強度が下がるという問題もあります。
その鋼鉄を建物の部材として使用する構造を「鉄骨造」といい、H型などの形鋼、パイプなどの鋼管、鋼板を使って組みしてて構成される工法です。軽量で強い構造の建物をつくることが可能なため、高層建築や体育館のような大きな梁の建物に向いています。耐震性が高く燃えにくいという長所の半面、断面積が小さいため、部材が長いと突然横に曲がることがあります。
鉄骨造は、耐震性が高く燃えにくいのですが、火災などで450度を超えると構造体としての役割を果たさなくなります。鉄骨が柔らかくなって変形して、場合によっては崩れてしまうこともあります。そのために火の拡大を防ぐ防火材料や、火に当たっても熱に耐える耐火材料で鉄骨を覆うことが大切です。
鉄骨造には、鉄筋や鉄骨の筋交い(ブレース)を入れて柱や梁が動かないようにする「ブレースエ法」と、柱と梁を動かないようにしっかり固定する「ラーメンエ法」があります。ブレースエ法は構造材の使用量は少なくてすみますが、ブレースの位置によって間取りの自由度が制限されます。大規模なビルでも使われるラーメンエ法は、空問が自由に使えますが、構造材がやや大きなものになり、コストがかかります。
鉄骨構造は鋼材の厚みによって重量鉄骨と軽量鉄骨の2つに分別されます。
■重量鉄骨
太い鉄骨の柱と梁で構成された構造を「重量鉄骨造」といいます。一般住宅で使われることは少なく、主に大規模なビルで用いられる工法です。柱にはH型やI型、梁にはH型の材料が使われ、溶接やボルトでつなげます。指定された材質を使うだけでなく、溶接とボルト締めの状況が構造的な質に大きく影響するため、専門家でないと現場監理は難しくなります。
厚さ6ミリ以上の鋼材で鉄骨を形成。3階建て以上の比較的大きな建築物に用いられます。柱と梁が溶接で一体化されているのが大きな特徴です。筋交いや耐力壁の必要がない、ラーメン構造となっている建物がほとんどです。
■軽量鉄骨
「軽量鉄骨造」は、厚さ3〜5ミリ程度の薄い鋼材を用い、鉄筋の筋交いを入れて建物を支える構造です。鉄を使っているわりには重量が軽いため、木造住宅程度に基礎を小さくでき、設計施工の手問がかからないという大きな利点があります。
また、小さな部材を使え、柱の間隔を空けた大きな空間をつくることが可能なため、鉄骨系のプレハブ住宅はほとんどがこの軽量鉄骨造です。ただし、高温で鉄骨が柔らかくなってしまう欠点があり、また薄い鉄板なので、水回りや壁内結露による錆に対する処理が必要となります。
厚さ6ミリ未満の鋼材で鉄骨を形成。大手ハウスメーカーが多く採用しています。3階建て以下の住宅に専ら採用されます。木造軸組構造と同じように、柱、梁、筋交いで構成されるブレース構造が主流です。柱と梁、そのほかの部材をボルトで結合しているのが特徴です。
出典:家仲間コム
重量鉄骨(ラーメン構造)の「ラーメン」とは、ドイツ語で「枠」を意味するRahmenに由来し、柱と梁が剛接合(溶接)している構造のことを指します。軽量鉄骨との大きな違いは材料の厚みで、厚さが6mmを超えるものが重量鉄骨、それ以下は軽量鉄骨と呼ばれています。柱一本一本の強度が非常に高いため、柱の数を少なくすることができます。
また筋交いや耐力壁も必要ありません。よって大空間や大開口が可能になり、ひいては間取りや設計の自由度が高くなります。狭小敷地でも施工可能で、意外にも都市部でのシェアが大きいのが特徴です。耐震性については、軽量鉄骨・鉄骨軸組工法と同様に、建物自体が揺れることで力を逃がす仕組みになっています。制震装置や免震装置を採用するとより高い耐震性を発揮します。非常に頑丈で耐久性、耐震性に優れた構造ではありますが、重量があるため、基礎の施工に大きなコストが必要になります。
耐震性・耐久性が高い
開放的な大空間が可能
狭小敷地でも施工可能
高価
音が響きやすい
サビに弱い
基礎にコストがかかる
軽量鉄骨よりもさらに断熱性能が劣る
●ヘーベルハウス (フレックス)
●パナホーム (ビューノ)
●積水ハウス (ビエナ)
●ダイワハウス (スカイエ)
柱と梁、筋交いで構成される木造軸組工法と原理は基本的に同じものですが、柱と梁の部分を軽量鉄骨に置き換え、筋交い部分を鉄骨ブレースに置きかえた工法です。特に鉄骨ブレース部分が強度を発揮し、すぐれた耐震性を実現しています。阪神大震災でも倒壊に至った例は無かったと報告されています。軽量鉄骨とは、厚さが6mm未満の鋼材です。軽量鉄骨造の建物は、この6mm未満の鋼材を利用して、事前に主要部材を工場で生産し、それを現場で組み立て設置するプレハブ工法です。工場である程度製造したパッケージを組み立てるため、工期がとても短く、建築コストが安いというメリットがあります。大手ハウスメーカーの鉄骨の家と言えば、ほとんどがこの軽量鉄骨です。
材料となる鋼材は近代的な工場で生産されるため、品質が高いレベルで安定しています。木を使う木造と比較すると材質としての信頼度は圧倒的に高いと言われています。木材は製品となってからもその変化が激しく、外的要因を受けやすい材質です。また、製材された後からでは、上質な木材なのか、安価な木材なのかは素人では判断がかなり難しいところです。しかし、鉄骨材は規格どおりの品質や性能を発揮します。つまり部材としての信頼度は木材を大きく上回っています。耐震性・耐久に関しては木造軸組工法よりも高いと言っていいでしょう。鉄骨軸組工法では建物自体が揺れることで地震の力を逃がし、倒壊を防ぐ仕組みとなっています。そのため、制震装置を採用するとより高い耐震性を発揮します。
鉄は熱伝導率が非常に高く、木造建築物に比べて断熱効果は低いと言わざるを得ません。また、冬場は室内の温められた空気が外に逃げ易く、室内外の温度差による結露が生じやすいデメリット・難点があります。
耐震性・耐久性が高い
精度・品質が高い
工期が短い
多くの大手ハウスメーカーが採用
規格化されているので、設計自由度が低い
音が響きやすい
サビに弱い
結露が生じやすい
リフォームが難しい
●積水ハウス
(イズシリーズ)(ビーシリーズ)
●ダイワハウス
(ジーヴォΣ)(ジーヴォE)(ジーヴォ03)
●ヘーベルハウス
(キュービック)(新大地)
●パナホーム
(カサートシリーズ)
●トヨタホーム
(エスパシオシリーズ)
3匹のこぶた。現代風に考えて、1匹めが『木造住宅』2匹めが『鉄骨造住宅』とすると、3匹めが建てたのは地震や台風などの自然災害に最も強いプロフの『〇〇造住宅』です。ただし気をつけたい点が… pic.twitter.com/r4ilRqvnRu
— たまちゃん (@tamachan_1218) May 10, 2023
出典:DAIKEN
我が国に地震や台風という自然災害がなければ、住宅は柱と梁だけでも全く大丈夫でしょう。しかし、地震国であり、台風の通過する日本のすべての住宅は、地震や台風に耐えられることを前提に設計する必要があるのです。このため、住宅には地震や台風など、外から加わる大きな力に対抗するために、特別に強度を持たせた特殊な壁、「耐力壁(たいりょくへき)」が配置されています。この耐力壁は、多くの木造住宅では強度をほとんど持たない「筋交いの無いただの壁」と共に混在して無意味に配置されており、住宅が完成してしまうと住宅のプロでも見分けがつきません。しかし、住宅に十分な強度を持たすためには、耐力壁の必要量や配置場所を設計士が綿密に計算して図面を作り、なおかつ正しい施工方法で耐力壁を設置していかなければならないのです。
耐力壁は建築工法により形が異なり、在来木造軸組工法や、軽量鉄骨造では、筋交いやブレースといわれる斜材を付け加えて耐力壁を構成しています。この方法は、「ブレース構造」と呼ばれ、木造建築ではもっとも一般的な形です。一方、ツーバイフォー(ツーバイシックス)工法や工業化された木質パネルエ法などで使用されているのが、面(壁)全体を補強する「面構造」です。これは壁全体に強度を持たせる工法で、構造用合板と呼ばれる板を用いて四方の壁をすべて耐力壁とすることができます。また、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造では、柱と梁の接合部分を補強した「ラーメン構造」といわれる方法によっても耐力壁を作り出すことが構造になっています。このように形は異なっでも、耐力壁はすべての住宅に必ず必要なもので、その必要量は、「地震時には同じ大きさの住宅でも重量のある方により大きな力が加わる」という考え方から、重い住宅ほどより多く必要になってくるのです。
★木造軸組工法・軽量鉄骨 ⇒ 「ブレース工法」
★ツーバイフォー・ツーバイシックス ⇒ 「面構造」
★重量鉄骨・一部の軽量鉄骨 ⇒ 「ラーメン構造」
木造住宅にはいくつかの建築工法がありますが、もっとも一般的なのが木造軸組工法と呼ばれるものです。この工法では「筋交い」といわれる補強材を使って「耐力壁」を構成します。筋交いとは、柱と柱の間に斜めに取り付けた部材のことで、簡単に考えれば「つっかえ棒」のようなものです。軸組工法ではこの筋交いの組み合わせ方で、左図のように4つの強さを持つ耐力壁を作ることが出来るのです。また2×4工法同様、外壁に構造用合板を張ることで、軸組工法でも面構造の耐力壁を併設することが可能です。これを最近では、多くの工務店や中小のハウスメーカーが採用しています。
この様に柱と柱の間に筋交いが設けられていたり、柱や梁に構造用合板が外側から張られている壁を「耐力壁」といいます。軸組工法では、この壁があることによって初めて、地震や台風などの暴風雨にも対抗できるようになるので、逆に耐力壁が存在しない住宅は、大型台風や震度3~4程度の地震でも倒壊してしまう危険性が十分にあるといえるでしょう。
筋交いは規格化されており、30mm×90mmと45mm×9mmの2種類、さらに「片筋交い」か「たすき掛け」かによって強度(倍率)が変わってきます。ちなみに、建築基準法では幅1mの壁で250㎏の地震力に耐えられる壁が「強度1」として仮定されており、筋交いのない「ただの壁」は、強度倍率が1ではなく「ゼロ」となるので、注意が必要です。
また、実際に住宅を設計する場合は、最初に地震や台風に対抗できる耐力壁の必要量を計算し、その後に必要量の耐力壁をバランスよく配置していきます。地震も台風も、いつ、どんな方向から力が加わるかわからないので、耐力壁は住宅の東西南北の各方向に均等に入れておく必要があるといえるでしょう。
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現在の建築基準法の耐震基準に沿った形で、きちんと施工された住宅であれば、どのような構造・工法でも耐震性には、全く問題がないと言えるでしょう。震度7クラスの大規模地震でも倒壊しません。しかし、これはあくまでも私見ですが、木造住宅よりも圧倒的に鉄骨住宅の方が、地震や災害に強いと感じています。
【木造軸組】 < 【2×4やパネル工法など】【軽量鉄骨】 < 【重量鉄骨】
の順に耐震性が高まると言えるでしょう。特に重量・軽量鉄骨に耐震デバイスを取り付けた住宅が、圧倒的に耐震性能が高いと言えます。しかし非常に高価になりますが。本当に地震の被害に対して最善の対策を考えているのなら、重量・軽量鉄骨で建てるだけでは、万全とは言えないでしょう。そこに耐震デバイスを取り付けてこそ、最善の対策と言えるのではないでしょうか。また、建物だけに気が取られますが、実は建物を支える「基礎」「地盤」も、耐震性には大きな影響を与えることを忘れてはいけません。
最後に・・・
どのような構造・工法でも耐震性は全く問題はありません。
今の耐震基準ならば、震度7クラスの大規模地震でも倒壊はしません。
では、上記の想定を超えたらどうなのでしょうか?
実際に東日本大震災では想定を超えた津波が押し寄せてきました。熊本地震では熊本で大規模地震が起きること自体が想定外でした。結構、想定外は起こっています。
想定を超えた時・・・・
「家族の命を脅かす家」よりも、「家族の命を守る家」であって欲しいものです。
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