
設計変更や仕様変更は、「設計中」と「施工中」の2つに分けることができます。設計中の変更は、施工者の積算、見積もりと折り合わないというのが一番多いケースです。見積もりの調整という段階で、予算に応じて、いくつか変更がでてくるのは仕方ないことです。しかし、ついでだからと他にも変更を依頼して構造の変更を伴ったり、何度も変更を繰り返したりすれ場、おのずと設計期間の延長や見積もりのなり直しとなり、建築工事がいつまでたってもはじめられなくなってしまいます。打合せの段階で、自分たちの希望や要望をしっかりと伝えることが大切です。家族みんなの考えを盛り込んだ内容を伝えることが大切です。その意味でも家族の意思統治をおこなう必要性があります。
そして非常にやっかいなのは、施工中の変更です。これは施工業者もとても嫌がります。工期がのびたり、工事費が増加したり、また無理な変更のしわ寄せが施工に及び、住宅の品質を落としてしまう可能性など様々な問題が生じることが考えられます。
しかし、なぜ工事が始まってから変更となるのでしょうか。原因の1つは、施主が平面的な設計図を立体的に理解することがなかなかむずかしいという点です。工事の進捗中の実際の現場を見てから、やっと具体的なことが理解でき、変更したくなってしまう流れです。しかし、施主としてはちょっとしたことのように思えますが、躯体や構造に絡んでいたりすると、変更はむずかしくなるので、変更をあきらめるか、別の方法を考えるか、対策をとることが必要になってきます。もちろんですが、現場の状況も考えなければなりません。ですからプランニング時にはわからないことは何度も聞きなおし、できれば、図面も少しは勉強して見れるようになっておくことが良いでしょう。いずれにしても、施工中の変更には専門的な特殊な知識が必要です。変更を思い立ったらまずは施工者に相談してみましよう。
現場では「段取り八分」という言葉があります。段取りとは工事作業が円滑に進むように、先の工程を見越して材料の調達や職人の手配などを前もって行うことをいいます。よい棟梁、よい現場監督ほど、この段取りが上手ですから、現場では手戻りも少なくスムーズに作業が進みます。したがって、現場は建て主が考えているより、はるかに先に進んでいることがあるのです。
安易な工事中の変更は、こうした段取りを狂わせることになり、工期の遅延や工事費の増額につなかってしまいます。変更してほしいところが出てきたら、まだ大丈夫と自分で判断せずに、なるべく早くそのことを依頼先に伝えるようにしましよう。
工事中の変更を依頼するときは、現場で気づいても、職人に直接伝えてはいけません。現場監督や設計者、あるいはハウスメーカーや工務店の担当者に伝えましょう。現場で工事をしている職人さんは図面通りの仕事をしているので、職人さんに直接伝えるのは筋違いです。
まずはハウスメーカーや工務店に図面を作成してもらいましょう。その上で、見積もりをとり、変更による工事費の増減や工期の延長などについて、きちんと確認し、施工者及び現場の承諾を得てから進めるようにしましよう。またその記録は、書類できちんと残しておくことが重要です。施主はもちろん施工者、設計者がお互いにもつようにしましょう。この確認を怠つたまま進めて、言った言わないのトラブルが一番怖いことです。トラブルの元になるので注意しましょう。
2018.9.28 投稿
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