

https://news.yahoo.co.jp/articles/66a57ba5129bc6d349ebd52a94a14a9837ebe68b
空き家などの住宅の解体費が2024年度に1戸平均で187.7万円となり、前年度から7%増えた。20年度と比べると27%増で、集計した解体工事仲介サービス会社のクラッソーネは「人件費や廃棄物処理費が上昇し、工事価格を押し上げている」とみる。
2024年度、木造の標準的な住宅(延べ床100〜132㎡)の解体費は平均187.7万円に達しました。前年から7%増、2020年度比で27%という伸びは、単なる一時的なゆらぎではなく、費用構造そのものの変化を示します。本稿では、相場の推移と価格帯の移行、費用の内訳、地域・現場条件、制度や法改正の影響、そして家計や意思決定に直結する実務的な対策を、最新のデータと現場感覚の双方から読み解きます。
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解体費の平均値は187.7万円、中央値は180.0万円。平均と中央値がともに上がったことは、高額案件が平均値を引き上げたにとどまらず、相場全体の中心が切り上がっていることを物語ります。2020年度からの連続的な増加により、「100〜159万円」が主力だった時代は過ぎ、現在は「160〜219万円」が実感としての主戦場になりました。背景には、処理費・労務費・燃料費の上昇、さらに分別や安全対策といった工程の高度化があり、どの地域・どの規模であってもコストの底上げから逃れにくい環境が続いています。空き家対策や建て替え、相続・売却など、暮らしや資産の意思決定において、解体費は避けて通れない前提条件になりました。
今の相場感はどこにあるの?
木造30〜40坪では160〜219万円帯が中心に。平均187.7万円、中央値180万円が目安です。
相場の方向感は時系列でこそ鮮明になります。2020→2022→2024年度と、平均・中央値が並走するように上昇。市場の中心線そのものが持ち上がったため、以前なら「中間価格」と見なされていた帯が、いまや「割安」に感じられにくくなりました。資材・エネルギー・人材の三重苦は、価格の谷を埋める「底上げ圧力」として効いています。
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図1:平均・中央値の推移(木造30〜40坪)。出典:クラッソーネ
平均と中央値が同時に上がる意味は何?
市場の「中心価格」自体が高くなった証拠。予算の前提を見直す必要があります。
価格帯の分布は、市場の体温計にあたります。かつて多数派だった「100〜159万円」は2024年度には少数派となり、代わって「160〜219万円」が中心的なボリュームを形成しています。これは、高値事例の増加ではなく、幅広い条件の現場で平準的にコストが上振れしていることを意味します。相場観の更新が遅れると、見積もりを受けた際の心理的なギャップが大きくなりがちです。
図2:価格帯の構成比比較(概念図)。出典:クラッソーネ
ボリューム帯の上昇は何を示すの?
平準的な案件も高止まり傾向に。資金計画の基準値を引き上げる必要があります。
解体費の大枠は、廃材の処理費、人件費、重機の燃料費で大半が占められます。木材や石膏ボード、プラスチック類などは分別が必要になり、混合廃棄を避けるほど単価は抑えられる一方、現場の負荷は増えます。アスベストの可能性があれば、事前調査から隔離養生、特別運搬・処分までの追加工程が生じ、見積もりに直結します。後から判明すると費用と日程の両面で跳ねやすいため、早期の確認が重要です。
最初に確認すべき費目は?
処理費と人件・燃料費。ここが6〜8割を占め、総額を左右します。
価格上昇は全国的でも、上乗せの理由は地域で異なります。都市部は狭小地・密集地ゆえに重機の進入が難しく、手作業比率や養生・近隣対応の負荷が増えます。地方は処理施設までの距離が長く、運搬・回送費が重くなりがちです。地中埋設物や地下構造、道路幅員、周辺家屋の老朽度合いなど、現地ならではの条件が追加費用の引き金になります。現地調査時の情報共有と、契約での「追加の条件定義」がコスト制御の要所です。
地域別で見落としやすい点は?
都市は規制・養生負荷、地方は搬送距離と手配難。現地条件の確認が不可欠です。
分別の厳格化やアスベスト対策、安全衛生の強化は、環境負荷の低減や安全性の向上に寄与する一方、工程の増加と専門対応の必要性を通じて、費用に反映されます。古い建物ほど事前調査の重要度が上がり、結果として見積もりの段階での説明責任が重くなります。制度面の要請は短期的に後退しにくく、当面はコストの高止まり要因として作用し続けると見ておくのが現実的です。
参照: 環境省(大気汚染防止法) ・ 国土交通省(建設リサイクル関連) ・ 厚生労働省(労働安全衛生)
法規制は費用にどう効くの?
工程追加と専門対応を要するため、時間と人件の増分が見積額に反映されやすくなります。
当面の下振れを期待しにくい局面では、依頼者側の工夫が効きます。少なくとも3社以上の現地見積もりを取り、搬出・重機・処分・諸経費の内訳を比較。残置物の整理や再利用の検討で搬出量を抑え、処理費の比率を下げます。アスベストの有無や地中埋設物など追加の火種は早期に確認し、契約書では追加費用のルールと近隣対応の範囲を明文化。繁忙期(概ね12〜3月)を避け、閑散期(4〜9月)に合わせることで、価格と日程の柔軟性を得やすくなります。自治体の補助金も、実負担の軽減に直結します。
情報収集の起点としては、相場や事例に触れられる解体工事仲介サービスの活用が有効です。制度面は官公庁の公式ページで一次情報を確認し、相続や空き家政策、補助メニューの適用可否を早めに把握しましょう。
参考: クラッソーネ ・ 相続土地国庫帰属制度(法務省) ・ 国土交通省(空き家対策) ・ JETRO(資源ごみ関連)
最初の一歩は何をすれば良いの?
現地調査前提の相見積もりと制度確認。条件の見える化で、費用の上振れを抑えましょう。
解体は「壊す」だけではありません。法令遵守や環境配慮、近隣との協調を前提とする複合工事です。相場の高止まりが続くいま、鍵になるのは準備の質と透明性。早めに動くほど、選択肢は広がります。
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