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積水ハウスの外壁材「ダインコンクリート」とヘーベルハウスの外壁材「ヘーベル板」はよく比較されます。どちらも鉄骨住宅専用に用いられる高級外壁材です。ともに日本を代表するトップハウスメーカーで、高額な価格帯の高級注文住宅メーカーです。また、ともに鉄骨住宅という地震に強い耐久性の優れた構造になっています。(ヘーベルハウスは鉄骨造のみを扱っていますが、積水ハウスには木造(シャーウッド)もラインナップされています。)
【目次】
積水ハウスの「ダインコンクリート」の材質はプレキャストコンクリートです。一方、ヘーベルハウスの「ヘーベル板」はALCコンクリートです。同じ【コンクリート】という名称が付いていますが、大きな違いがあります。
その違いは内部の気泡構造です。
ダインコンクリートの内部気泡は「独立気泡」で、ヘーベル版は「連続気泡」なのです。
メーカー名 | 外壁商品名 | 種別 | 気泡構造 |
---|---|---|---|
積水ハウス | 「ダインコンクリート」 | プレキャストコンクリート | 独立気泡 |
ヘーベルハウス | 「ヘーベル板」 | ALCコンクリート | 連続気泡 |
ヘーベルハウスも公式HPでは「独立気泡」として表記していますが、よく読むと、【気泡を完全に独立させるのではなく、気泡間を直径0.05~0.1ミクロンの細孔でつないでいます】とあります。ですから完全に独立した気泡ではないため「連続気泡」が表現的には正しいでしょう。すなわち、ダインコンクリートは「独立気泡」。ヘーベル板は「連続気泡」となります。
それでは、「連続気泡」と「独立気泡」の違いやメリット・デメリットは何なのでしょうか?
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「連続気泡」の「ヘーベル板」の最大のメリットは材質自体の軽量化です。積水ハウスの「ダインコンクリート」と比較すると、「ヘーベル版」は比較にならないくらい軽量です。軽いのです。何せ「ヘーベル板」は条件にもよりますが、水に浮くほどなのですから・・・また、軽いということはその外壁を支える家の構造自体も複雑にならず、費用がかかりません。鉄骨の躯体構造を安価に設計できるのです。もちろんある程度の重さは必要ですが、重すぎる外壁材は地震の揺れを増幅させるケースもあります。また軽いということは施工効率がアップし、工期の短縮が可能となり、施工コストの削減につながります。
また、耐熱性については、「ヘーベル板」の「連続気泡」は、その連続した気泡構造により内部に熱をこもらせにくくし、熱を分散させる大きな特性があるため、内部で発生する熱の圧力での破裂現象の心配も少ないのです。ですから、「へーベル板」は火事の時の延焼抑制効果が高いのです。一方、積水ハウスの「ダインコンクリート」は「独立気泡」のため、火災時に高温の炎に長時間さらされると、コンクリート内部に熱がこもってしまいます。それが独立した気泡の中に溜まり、熱の逃げ道がなくなり、最悪の場合は内部破裂の可能性があります。
へーベル板 =「連続気泡」
熱がこもりにくい ⇒ 内部破壊の可能性 『 少 』
ダインイン =「独立気泡」
熱がこもりやすい ⇒ 内部破壊の可能性 『 有り 』
・「連続気泡」のへーベル板は水が回りやすい!!
ヘーベル板の「連続気泡」の大きなデメリットとしては「水分の浸入」があげられます。実際に建てられているヘーベルハウスの住宅は、高性能・高耐候・高耐久の「ロングライフコート」で塗装されています。この特殊塗装によって内部への水分の浸入を完全にシャットアウトしています。しかし、何らかの要因により、その「ロングライフコート」の防水性能が損なわれた場合には、大きな問題が発生するのです。通常では考えられないのですが、現場での塗装不良や、経年劣化、メンテナンス不良などで、その塗装膜が水分の侵入を許した場合には、「連続気泡」は内部で空気層の気泡がつながっているので、水分の広範囲への侵入を許しやすく、侵入箇所から他に廻りやすのです。気泡がつながっているので、外壁材全体に水が廻ってしまうのです。
倉庫などに長期間保存されているALC(へーベル板)は、欠けたり苔が生えている場合があります。これはALC内部に水分が侵入し、冬場に凍結し内部で膨張して内部破壊を起こし、欠けという現象になっている証拠です。倉庫などに保管されているへーベル板には、もちろんですが「ロングライフコート」が塗布されていないので、水分の内部への侵入を容易に許してしまうから、このような状態になるのです。また、コケに関しては、水分というよりも湿気が「連続気泡」を通じて、内部侵入し長期間停滞するため発生するのです。もちろん上記のような現象が起こるのは、水分の浸入を防ぐ塗装が施されていない保存状態だからです。実際のヘーベルハウスの外壁は3層塗装の「ロングライフコート」でしっかりと守られています。しかし、現場で外壁塗装を行うヘーベルハウスの住宅は、工場内で塗装工程を終了するダインコンクリートと比べると、塗装職人の技術レベル、塗装時の気象環境に大きく品質が左右される可能性があるのです。ヘーベル板が持っているメリットを十分に活かすためには、それを保護する塗装工程の善し悪しが大きなポイントとなります。
ヘーベル板は「連続気泡」なので軽いと説明してきました。内部がスカスカとは言いませんが、イメージとしては「軽石」のような感じです。しかし軽石は普通の石と比べると、明らかに欠けやすい、壊れやすいというもろい性質があります。軽石のように軽い「ヘーベル板」もまた、衝撃に弱くとても欠けやすくもろい外壁材と言えるのです。
工場から現場へ運搬する時や施工中に、軽微な衝撃でも「ヘーベル板」の一部が欠損するケースはよくあることです。細心の注意を払い、運搬、施工をしていますが、頻繁にあることです。もちろん欠けた部分は現場にて補修処理して修復しますが、修復したその部分にはへーベルハウスが謳う「ヘーベル板」の本来の性能はないと思った方が良いでしょう。その意味では、ヘーベルハウスで建てる場合は、実際の現場での外壁施工を十分に確認したほうが良いと強くアドバイスします。へーベル板は現場での補修が可能ですが、ダインコンクリートの場合は傷が付いいたり欠けたりすると、一般的には取替えとなります。ヘーベル板の場合は、傷が付いたり欠けたりしたものを補修されることは大きなリスクとなると言えるでしょう。
ヘーベル版は「連続気泡」なので、もろくて、欠けやすいのです。一方、積水ハウス外壁材「ダインコンクリート」は通常のコンクリート程ではありませんが、かなりの重量があり「独立気泡」であるため、強度はヘーベル板をはるかに上回ります。
強度についてのわかりやすい例は、積水ハウス自慢の「工場見学」で見ることが可能です。「ダインコンクリート」にピッチングマシーンで150キロの硬球をぶつける実験があるのです。この実験では「ダインコンクリート」は、びくともしません。細かい傷は付きますが、破損やひびや割れ等は一切ありません。しかし同時にいやらしく比較実験されるALCの方は、ボロボロに破壊されてしまいます。この実験はあからさまな悪意を感じるので、私は好きではありませんが、素材の強度だけを比較すると両者には雲泥の差があるのは事実なのです。実際に「ダインコンクリート」の外壁に、エアコンの室外機のステーなどを取り付ける場合には、通常のドリルでは、なかなか穴が開かないと電気業者の間では有名な話になっています。ヘーベル板の場合はどうかと言うと、使い古しの傷んだドリルでも簡単に穴が開いてしまいます。
積水ハウスの鉄骨住宅用外壁材「ダインコンクリート」は、専用工場内で全ての塗装工程が行われます。最新設備の工場内で、親水塗装と合わせて4層塗装が行われるのです。全ての塗装が安定した環境の工場内で行われるので、高い品質が確約されています。あとは現場に運搬して組み立てるだけです。工場内で製品として高いクオリティーで製造されています。特に塗装工程も工場内で仕上げられている点が、大きなポイントと言えるでしょう。
工場で高い品質管理の元に塗装された「ダインコンクリート」ですが、実は盲点があります。ダインコンクリート自体は高性能塗料で覆われているのですが、ダインコンクリートとダインコンクリートのつなぎ目の「目地」の部分が問題なのです。
「ダインコンクリート」の目地はもちろん現場での施工となります。当たり前ですが、工場での施工及び塗装ではありません。現場で施工された目地の上にはなんと何も塗らないのです。工場にてオートクレーブ養生で製造され、3層の特殊塗装の上に30年間メンテナンスフリーの「タフクリアー30」が塗装された「ダインコンクリート」自体は、無類の耐久性・耐候性を発揮するでしょうが、目地部分には紫外線や雨風、気温変化などに、長期間耐えられる塗装処理等が行われないのです。個人的には、この目地に関しては明らかにお粗末なような気がします。もちろん、使われている目地材は特殊な高耐久材質が使われていますが、実際の積水ハウスの築10年~20年くらいの建物を見ると、外壁材の「ダインコンクリート」は綺麗なのに、目地部分だけが劣化しているというケースをよく見かけます。ダインコンクリート自体は非常に綺麗なだけに目地の劣化が非常に目立つのです。
積水ハウスの公式HPには「目地も最新技術で・・・・・」とありますが、いくら最新技術の目地材を使用しているといっても、表面に何の保護もない状態で、積水ハウスの言う【30年】は間違いなく耐えられないと考えます。
ヘーベルハウスの「ヘーベル板」は、工場で下塗り塗装のみを行い、あとは工事現場で中塗り塗装、上塗り塗装を目地と一緒に吹付塗装します。ヘーベルハウスでは「ロングライフ塗装」とよんでいます。ですから目地部分には2層の塗装が施されることになります。この点がダインコンクリートとの塗装に関しての大きな違いです。さらオプションの光触媒の「デュラ光」塗装を行うと、目地部分は3層の塗装膜で保護されます。外壁材はもちろん、目地にまで多重塗装を施しているので ヘーベルハウスの言う、「30年間メンテナンスフリーを実現しています」は、個人的には納得ができます。
ヘーベルハウスの外壁材「ヘーベル板」も、積水ハウスの外壁材「ダインコンクリート」も、塗装に関しては一長一短と言えるでしょう。見た目や外観やデザイン性などを中心に、片方の外壁材を持ち上げるようなサイトが目立ちますが、ここではもう少しテクニカル的な部分の比較をしてみました。
ダインコンクリートは工場で生産されるため、塗装材の持つ優れた機能は、ほぼ間違いなく発揮されるでしょうが、現場で塗装工程を行うヘーベル板は、疑いの余地が大いにあります。しかし、ダインコンクリートの外壁は、ダインコンクリート自体の耐久性や耐候性は申し分ないでしょうが、目地部分の処理には問題があると言えるでしょう。一方へーベル板は現場での塗装工程で、目地部分にも十分な塗装皮膜がかかります。オプションの「デュラ光」を採用すれば、目地部分が3層の皮膜に覆われることになります。すなわち、ベストな環境で最高の塗装職人が施工すれば、目地まで塗装するへーベル板の方が、塗装面に関しては軍配があがりるように感じます。
しかし果たしてベストな環境、最高の塗装職人で施工してもらえるかは大きな疑問と言えるでしょう。実際の現場では、湿気の多い梅雨時期にも塗装は行いますし、塗料の乾燥時に影響が大きいと言われる冬場にも塗装作業をします。場合によっては少々の雨でも、工期に追われて塗装を断行する場合もあります。職人に関しても、棟梁は腕利きの塗装職人でも、他の職人がそうではない塗装業者ばかりなのが実情と言えるでしょう。ヘーベルハウスのヘーベル板の方には、施主の現場管理能力が必要になるかもしれません。
外壁材名称 | 種別 | 内部気泡 | 目地の塗装 |
---|---|---|---|
積水ハウス「ダインコンクリート」 | プレキャストコンクリート | 独立気泡 | なし |
へーベルハウス「ヘーベル板」 | ALCコンクリート | 連続気泡 | 現場で3層 |
外壁材名称 | メリット | デメリット | 厚さ |
---|---|---|---|
積水ハウス「ダインコンクリート」 | 強度 デザイン性 | 重たい | 60mm |
へーベルハウス「ヘーベル板」 | 軽い 防火性 断熱性 | もろい | 75mm |
「ヘーベル板」は目地も含めてしっかりと塗装、コーティングされます。しかし、この塗装が何らかの原因により剥がれ、水の侵入を許した場合、上記したように「ヘーベル板」には様々な問題が発生します。ですから「ヘーベル板」の耐久性のキモは塗装皮膜の維持にあるでしょう。すなわち10年に一度くらいの頻度で再塗装することがベストなのではないでしょうか。一方「ダインコンクリート」は性質上、仮に塗装が剥がれても、ヘーベル板に比べれば安心ですが、最大の弱点である「目地」の部分の耐久性・耐候性は頭が痛いところです。実際にネットの口コミでは「ダインコンクリート」の目地の劣化の書き込みが多数見られます。こちらもやはり、10年周期で再塗装したほうが良いでしょう。結局はどちらも同じような周期で再塗装という結論になりました。これでは高額なハウスメーカーで建てた意味がないとお思いでしょうが、これはあくまでも十分に安心できる再塗装周期です。念には念を入れての手厚いメンテナンスをお勧めします。
しかし、ヘーベルハウスの場合はこの塗装の保護膜がなくなることによる、被害は大きなものになることだけは頭に入れておきましょう。積水ハウスの「ダインコンクリート」は目地の問題です。外壁材自体は特殊塗料に守られています。目地が劣化しても、見栄えが悪意だけです。最悪の場合劣化した目からの雨水の浸入も考えられますが、それは微々たるものでしょう。しかし、へーベルハウスの「へーベル板」に水分が侵入した場合は、外壁材自体の割れや欠けの原因になりますし、連続気泡構造が故に水分が廻りやすく、カビや苔等の発生も招きます。最悪の場合は内装部までの被害も考えられるのです。
へーベルハウスの外壁材「ヘーベル板」、積水ハウスの外壁材「ダインコンクリート」、両者とも一長一短あります。もちろんこのサイト内容は私の主観が加味されているので、不快に感じる内容もあるでしょうが、そこは直接各ハウスメーカーにお問い合わせ頂くのがベストだと思っております
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